2016年7月28日木曜日

南入り玄関の家 No.E04

概要
床面積 |1階・18.50坪 2階・12.00坪
延床面積| 30.5坪
玄関方向|南入玄関 No.E04
主な特徴
|小さな家|将来に備える家|景色の中に暮らす|暮らしと趣味を楽しむ家

コンセプト「暮らしに合わせて自在に変化する家」

生涯資金と建築費|

将来のライフスタイルに合わせて改装すること前提に計画する間取りがあっても良いと思う。

住宅ローン返済のために夫婦二人ともが家族を犠牲にする勤務より、どちらか一方は暮らしを楽しむために、気に入った仕事があれば生活が許す程度の仕事をして暮らしたい・・・。

1階平面図 No.1

小さな家を建て、生活費に負担をかけたくない。また無理な住宅ローンも組みたくない。住まいは小さくても豊かな暮らしができるはず。マンションと思えば100㎡の面積はかなり広め、マンションで上下左右の部屋に気をつかいながら暮らすなら、地面の上で自由に暮らしたい。新築時に多額の費用を使うより、お気に入りの住まいに手を掛けながら、長く愛着を持ち、その時々のライフスタイルに合わせて改装しながら暮らす家を考えたい。それは何十年後に建て替えするよりも絶対に資金の負担は少ないと思う。

だから30坪程度の小さな家を建て簡単な内装工事だけで済ませ、生活費には負担をかけず、その時々に気持ちよく暮らしができる住宅を計画した。


明日に向けて|
30坪ほどのコンパクトな住宅を無駄なく改装することが前提ですから、よりシンプルで汎用性が高い構造と間取りが求められます。重要なことは、基礎や構造、外壁、屋根などの主要構造体に手を加えることなく改装をできるように、計画当初からその時々の間取りも念入りに検討して、基礎や窓の位置を決めている。
1階平面図 No.2


土間のこだわり|
子供の成長には、子供の目線から見える変化や違いなどの刺激が欠かせないといいます。いつも同じ室内環境で暮らすより季節の変化や飛び回る蝶々、風にそよぐ草花などが子供たちは何かの刺激を与え、興味を抱き自分の手で確かめようとする行動に移す。この一連の活動が子供達の成長にとても良い・・・、それを住宅で生かすには土間が必要だと考えた。

自然は、その時々の変化に溢れています。土間は屋外と屋内をつなぎ、感性豊かな子供に育てる「架け橋」となるでしょう。少し成長すればここで工作や粘土遊び、夏にはプールを持ち出してくるかもしれません。子供の想像力を膨らますには必要な空間だと思います。また冬には物干し場としても大活躍します。将来は薪ストーブを置き、揺れる炎を見ながらのんびりと冬の長い夜を楽しみたいですね。

動線計画|

動線は生活そのものです。短ければ良いとか長いから悪い、という考えもありますが動線は家族との接点ともいえます。ときには動線が長くても、もっと優先される生活もあります。一つの行動だけを考えるより、生活全体で考える動線計画をしています。

台所からの家事動線が長いですね。この家は将来、改装工事をします。子供が小さい時には自由に歩き回っても安全な広い空間を求めました。テーブルも当初は部屋の真ん中に簡素な折りたたみの座卓でもいいのではないでしょうか。

それに簡単に片付けられる家具は、お掃除の時も楽です。

1階平面図 No.3

少し成長すれば、朝日が差し込む食卓で毎朝しっかりと朝食をいただきたいものです。台所が水まわりに近くなりますが、台所と水まわりが近くなっても、洗濯物を干して取り込み、たたんで仕分けることを考えると、台所がどちらにあっても動線の長さに変化はありません。

家事労働は大変です。浴室をサンルームへ移動して、脱衣室を広げここで物干しができるように改装します。もちろん新築時に、この間取理で着工しても良いのです。

1階平面図 No.4
洗濯してその場で干す、これ以上短かな動線はありません。子供たちにも自分の洗濯物は自分で洗うことが我が家のルールになりつつあります。子供が独立すると、いよいよ夫婦二人の住まい。回遊性のあるワンルームの住まいは室内の気温差も少なく、動きやすいです。もし車椅子が必要になっても平気です。


コストダウンを考えた上下階レイアウト|
家の中で最も無駄な空間は2階の廊下だと思います。そこで2階の廊下は最小限になるように主寝室と子供部屋2室を配置しました。それでも、1階から2階の子供部屋へ声を掛けやすいように小さな吹き抜けを設けてあります。
2階平面図
2階は構造に負担をかけないように玄関とLDK部分が総2階建ての構造にしてあります。土間と水まわりは下屋として総2階の建物に附属させた基本構造で、コストダウンを図っています。

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