2013年4月10日水曜日

設計図書は専門用語



この季節になると、さくらの花が見える住まいに住みたいと思う、小宅からは、さくらを愛でながら熱燗一杯とはかなわず、近くの公園へ散歩がてらに足を運び、ついでに書店まで足を伸ばし、店内でうろうろしていると、山口瞳氏の「礼儀作法入門」が目に入る、手に取りぱらぱらとページをめくる。

礼儀作法とは何か。それは「他人に迷惑をかけない」こと、そのためにも「まず、健康でなくてはならない」と氏は書いている。

建築の立場では、健康であることは、身体が健康であることと加えて、気持ちも健康であってほしいと願う。



建物本体の空気質を構成する使用建材は、ほんの少しでも、住まい手の健康を願う気持ちがあれば、さして難しいことでもない、住宅屋が、自分たちがどんな製品を使い、製品に何が含まれているか、どんな作り方をするのか関心を持ち、住まい手の立場で住まいづくりを行うことである。

一方、心の健康は難しい、いつまでも居たくなる空間、心地よい住まいは人それぞれによって異なるからです、誰もが居心地が悪い空間もあります、しかし、私が心地よいと感じても、他の方には、びみょうに心地悪い空間も多々あるのではないでしょうか。真に健康をもたらす住宅は、フルオーダーでご自分にフィットする空間を求めるべきではないでしょうか。

この微妙な感覚のズレをなくするために、私たちは設計図を描き、言葉で説明を行います、しかし私たちは、設計図は言葉に例えると、専門用語でしかあり得ません、設計図を読み解くにもそれなりの経験と知識が必要で、住宅の専門家でも経験の浅い者は、自分の思い描く空間を設計し、完成した建物に自分の身を置くと、なにかが違うことを発見するだろう、この思い描いた空間と現実の空間の違いは、経験が解決してくれることになる・・・と経験者は語る。

住宅の専門家も、経験がものをいいます、ましてや、初めて家づくりを行う方には、とても荷重なことにほかなりません、私たちも、空間の心地よさやデザインを再確認するために、パースを何枚も書き比較検討を行い、模型を作り確かめています。

間取りや平面図を描き、外観を考え内観パースを何枚も描き、ラフ模型を作っては壊し、壊しては新しい紙に描きまた壊しと繰り返し、デザインを洗練させていくのである。

パースや模型は、単に住まい手に解りやすくするために描くだけではなく、デザイナーもその空間を確かめるためでもあります、ご自身が想像出来ない空間は、想像出来るまで、どんどんデザイナーに訪ね、理想とする住まいの検討を重ねることが、末永く心地よい住まいを手に入れる最短の方法であり、経済的にも無駄を排除する手法であることは間違いありません。

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