2016年7月28日木曜日

南入り玄関の家 No.E04

概要
床面積 |1階・18.50坪 2階・12.00坪
延床面積| 30.5坪
玄関方向|南入玄関 No.E04
主な特徴
|小さな家|将来に備える家|景色の中に暮らす|暮らしと趣味を楽しむ家

コンセプト「暮らしに合わせて自在に変化する家」

生涯資金と建築費|

将来のライフスタイルに合わせて改装すること前提に計画する間取りがあっても良いと思う。

住宅ローン返済のために夫婦二人ともが家族を犠牲にする勤務より、どちらか一方は暮らしを楽しむために、気に入った仕事があれば生活が許す程度の仕事をして暮らしたい・・・。

1階平面図 No.1

小さな家を建て、生活費に負担をかけたくない。また無理な住宅ローンも組みたくない。住まいは小さくても豊かな暮らしができるはず。マンションと思えば100㎡の面積はかなり広め、マンションで上下左右の部屋に気をつかいながら暮らすなら、地面の上で自由に暮らしたい。新築時に多額の費用を使うより、お気に入りの住まいに手を掛けながら、長く愛着を持ち、その時々のライフスタイルに合わせて改装しながら暮らす家を考えたい。それは何十年後に建て替えするよりも絶対に資金の負担は少ないと思う。

だから30坪程度の小さな家を建て簡単な内装工事だけで済ませ、生活費には負担をかけず、その時々に気持ちよく暮らしができる住宅を計画した。


明日に向けて|
30坪ほどのコンパクトな住宅を無駄なく改装することが前提ですから、よりシンプルで汎用性が高い構造と間取りが求められます。重要なことは、基礎や構造、外壁、屋根などの主要構造体に手を加えることなく改装をできるように、計画当初からその時々の間取りも念入りに検討して、基礎や窓の位置を決めている。
1階平面図 No.2


土間のこだわり|
子供の成長には、子供の目線から見える変化や違いなどの刺激が欠かせないといいます。いつも同じ室内環境で暮らすより季節の変化や飛び回る蝶々、風にそよぐ草花などが子供たちは何かの刺激を与え、興味を抱き自分の手で確かめようとする行動に移す。この一連の活動が子供達の成長にとても良い・・・、それを住宅で生かすには土間が必要だと考えた。

自然は、その時々の変化に溢れています。土間は屋外と屋内をつなぎ、感性豊かな子供に育てる「架け橋」となるでしょう。少し成長すればここで工作や粘土遊び、夏にはプールを持ち出してくるかもしれません。子供の想像力を膨らますには必要な空間だと思います。また冬には物干し場としても大活躍します。将来は薪ストーブを置き、揺れる炎を見ながらのんびりと冬の長い夜を楽しみたいですね。

動線計画|

動線は生活そのものです。短ければ良いとか長いから悪い、という考えもありますが動線は家族との接点ともいえます。ときには動線が長くても、もっと優先される生活もあります。一つの行動だけを考えるより、生活全体で考える動線計画をしています。

台所からの家事動線が長いですね。この家は将来、改装工事をします。子供が小さい時には自由に歩き回っても安全な広い空間を求めました。テーブルも当初は部屋の真ん中に簡素な折りたたみの座卓でもいいのではないでしょうか。

それに簡単に片付けられる家具は、お掃除の時も楽です。

1階平面図 No.3

少し成長すれば、朝日が差し込む食卓で毎朝しっかりと朝食をいただきたいものです。台所が水まわりに近くなりますが、台所と水まわりが近くなっても、洗濯物を干して取り込み、たたんで仕分けることを考えると、台所がどちらにあっても動線の長さに変化はありません。

家事労働は大変です。浴室をサンルームへ移動して、脱衣室を広げここで物干しができるように改装します。もちろん新築時に、この間取理で着工しても良いのです。

1階平面図 No.4
洗濯してその場で干す、これ以上短かな動線はありません。子供たちにも自分の洗濯物は自分で洗うことが我が家のルールになりつつあります。子供が独立すると、いよいよ夫婦二人の住まい。回遊性のあるワンルームの住まいは室内の気温差も少なく、動きやすいです。もし車椅子が必要になっても平気です。


コストダウンを考えた上下階レイアウト|
家の中で最も無駄な空間は2階の廊下だと思います。そこで2階の廊下は最小限になるように主寝室と子供部屋2室を配置しました。それでも、1階から2階の子供部屋へ声を掛けやすいように小さな吹き抜けを設けてあります。
2階平面図
2階は構造に負担をかけないように玄関とLDK部分が総2階建ての構造にしてあります。土間と水まわりは下屋として総2階の建物に附属させた基本構造で、コストダウンを図っています。

南入り玄関の間取りNo.E03

概要
床面積 |1階・18.5坪 2階・16.5坪
延床面積| 35.0坪
玄関方向|南入り玄関 No.E03
特徴
家事動線|回遊性|バステラス|2階学習室|花粉症対策|家庭菜園|

暮らしや健康を考えた動線計画
住宅の動線は家事動線ばかりではありません、起床動線や帰宅動線、就寝動線など生活には様々な動線があります。健康や仕事、暮らし方から間取りを考えると、このような動線が暮らしやすい方もいらっしゃると思います。

この住宅は帰宅動線に注目してください。あまりこの動線がある住宅は少ないというか、必要とする方は少数派でしょうが、健康や職業によっては、この動線を必要とする方も多くいらっしゃると思いますので参考にしてください。

1階平面図 No.1


インフルエンザの季節|
インフルエンザが流行する季節に有効な予防法の一つが、帰宅直後の手洗いです。帰宅直後には、できるだけ何も触らずに洗面場へ直行し、石鹸で綺麗に手洗いをすることです。
玄関脇に手洗器を設ける方法もありますが、やはり大きめのボウルで石鹸で丁寧に手を洗いうがいをすることが一番です。

花粉症の季節|
花粉症で苦しむ時期には、とにかく家に帰りすぐに花粉を落として楽になりたい、家の中にも花粉を持ち込みたくない。帰宅直後には居室を通らず、お風呂場へ直行してシャワーを浴びたい、少なくても手洗いや洗顔をしたいと希望される方も多いではありませんか?着替えの衣服は階段下収納をクローゼットにして衣服を収納しておきます。

仕事柄|
服や身体に粉塵や油、臭いが付いてしまい帰宅直後には服を脱ぎ体についた汚れを落としてしまいたい。汗をかく季節は着ていた服を洗濯機に放り込み、お風呂でさっぱりしたい。仕事柄にもより、このような玄関からの帰宅動線を考える間取りもあります。

喘息|
花粉と同じで、衣服についたホコリは家の中で舞い散り、掃除の頻度を高めます。もしお子さんが気管支喘息をお持ちであればなおさら、室内環境は良好に保ちたい。そこまでいかなくてもご職業や健康状態から間取りを考えるべきではないでしょうか。

趣味を楽しむ|
家庭菜園が趣味で泥だらけになってしまい汗と土で汚れた体をきれいにしてから部屋に入りたいと、ご希望される方、アウトドアが趣味で雨の日には自宅でグッズの手入れをしたい方など、暮らしを豊かに趣味を楽しむ方こそ、この動線や機能を参考にしていただきたい。

仕事や健康、暮らし方、趣味から間取りを考えると家事動線より他の動線を優先する方が暮らしやすい場合もあるのです。

1階平面図 No.2

居間の雰囲気
No.1は居間を横断する動線があり、よく言えば居間に動線が集まり活動的な住まいですが、悪く言えば落ち着きのない居間になりやすいです。家事動線を短く、落ち着きのある雰囲気をご希望されるようでしたら、No2の間取りが良いでしょう。


2階平面図
2階|


階段を上がり正面にトイレその西側を廊下として子供部屋へ続きます。廊下が単なる移動空間であれば無駄は空間だと思いますので、一部をフリースペースと収納スペースに利用しています。フリースペースには机を備え付けてもいいでしょうし、収納を増やしてもいいでしょう。

2016年7月20日水曜日

南入り玄関の間取りNo.E02

概要|
床面積 |1階・22.50坪 2階・16.75坪
延床面積| 39.25坪
玄関方向|南入玄関 No.E02 

主な特徴
回遊性動線|物干し・和室
暮らし|景色|子育て世代の家|来客


1階平面図
 コンセプトは「南北の景色を取り込み自然の中で暮らす」
「家族の間」は見晴らしの良い広場や、庭園の中に佇む東屋に見立て南北の建具はすべてを壁の中に引き込みデッキが外部空間と室内空間のつながりを深めます。

動線計画|
回遊性の動線は「家族の間」を中心に「廊下ー脱衣ー洗濯ー和室」の動線と「台所ー食品庫ー玄関」の八の字を描く2本の回遊性動線があり、家事動線は少し長いですが、とても動きやすい動線が計画されています。
家事動線。中でも洗濯の動線は短い方が良いのかもしれませんが、実際には1日に何回洗濯をしますか、多くて2回ほどではないでしょうか、それも最近は、ほぼ全自動洗濯機をご利用です。子供たちが自立し始め、ますます洗濯物が増える時期には、子供達はお手伝いしてくれるようになるのでしょう。

乾燥機付き洗濯機をご利用でしたら、洗濯物をたたみ仕分ける方に時間が取られるのではありませんか?

この間取りでは「洗濯物をたたみ仕分ける」動線に重きをおきました。このプランでは、物干し場を兼ねた洗濯室を和室の横につなげて配置してあります。乾いた衣服を和室でたたみ、仕分けるにはとても都合が良いでしょう。

忙しくたたむ暇がない時や不意のお客さんがいらしても建具を閉めれば洗濯物が散らかっている見苦しところを、お見せする心配もありません。また、衣類をたたむ場所が広ければ、子供達も一緒にたたんでくれますし、躾にも役立つと思います。


家事動線は間取りを考える上で、とても重要な要素の一つですが、家族の年齢や、設備、使用する家電製品も選び、その上で暮らしに根付いた動線を満足させることも大切ではないでしょうか。
2階平面図


個性を発揮しだして数年経ち、幼児期もそろそろ卒業を迎える子供達はゲームや読書など、それぞれに自分のしたいことをし始めます。しかし家族の集まるところで過ごしたいと願うはず。

住まいには家族が自然と集まり付かず離れず過ごす場所が必要ではないでしょうか、その求心力となるのが、この座卓です。子供が小さなうちは座卓の方が安全で便利だと思います。ただ、子供が成長すると、椅子とテーブルの方が暮らしやしかもしれません、その時には、お気に入りのテーブルと椅子を家族で選び、いつまでも使い続けたいですね。

2016年7月19日火曜日

南入り玄関の間取り・E-01「朝日が眩しい家」

概要
床面積|1階・20.00坪 2階・15.00坪 
延べ床面積|35.00坪
玄関方向|南入り玄関 E-01

コンセプト「朝日が眩しい家」
主な特徴
|短い家事動線|回遊式動線|子育て世代|

南側道路で駐車場を設置する時には駐車場の位置も大きな課題の一つです。建物の大きさと敷地の間口にもよりますが、居間からいつも車しか見えないというのは避けたいものです。
1階平面図

この間取りでは家事動線を短くするため、台所から洗面脱衣所への動線と階段室側からの2方向の動線を設けています。この動線は一見すると動きやすそうですが、欠点として家族の誰かが入浴のため着替していると、裸で鉢合わせすることも考えられます。この動線を採用するときには必ずご家族とこの欠点を話し合ってください。
また、この動線を採用するときには、室内建具にスリガラスを入れるなど、脱衣室内の様子が分かるような建具デザインが求められます。

来客が泊まりに来ることもあるので和室は直接、トイレ、浴室へ行けるように廊下を設けました。また、この廊下は冬季間に階段室から降りてくる冷気を防ぐた役割も果たします。
2階平面図


2階は3室を南面に配し、すべての部屋に日照を得る間取りにしています。このような配置は真ん中の部屋の風通しが気になりますので出入口建具に欄間などを設けた方が良いでしょう。

2016年7月18日月曜日

南入土地・W-04「炬燵に蜜柑」

概要
床面積 |1階・22.00坪 2階・14.375坪
延床面積| 36.375坪
玄関方向|南入り玄関 No.W-04

コンセプト「炬燵に蜜柑」
主な特徴
|回遊性|子育て世代|夫婦の生活|

日本の冬は、炬燵に入って暮らしたいと考える方も多いのではないでしょうか。赤ちゃんの遊び場やお昼寝の場所としては畳床に勝る仕上げはありません。台所横に和室を設け育児と配膳がしやすい間取り案です。
1階平面図

暮らし方によれば水まわり動線の長さが気になりますが、それよりも家族の健康を優先し南北通風の良さや食堂に朝日が差し込むことを基本と考えた。

畳の部屋
「和室は南側で日当たりが良い場所に」と先入観はありませんか?年中大切なお客様をお迎えする大邸宅なら、いざ知らず、暮らしを大切に計画する間取りでは、そんな考えを持つ必要もありません。

畳はクッション性も断熱性もよく、特に子育て中の方には、こんなに重宝する素材はありません。乳児期には、さっとお布団を敷けば、お昼寝の場所になり思い切り寝返りもできて転落の心配もない、時には子供の添い寝と称して一緒にお昼寝もできる。転んで頭を打っても大きな怪我をしない、遊び場としても大活躍します。

また、洗濯物をたたむにも重宝な場所ではないでしょうか、板の間で直に座ってたためば膝を痛めます、座布団を敷けば邪魔になり、テーブル上で下着を広げるには抵抗を感じます、さりとて専用のパントリーを設ければ床面積が増えてしまう。
畳の間はその時々に応じて重宝に使える多機能な部屋、万能な部屋であり、その感触は私たち日本人のDNAに訴えてくるものを感じざるを得ません。

和室を暮らしの中で存分に活用するには、その配置が大きな決め手です。子育てには台所の近くや見通せる場所、洗濯物をたたむには物干し場の近くに配置する。さらにその配置によって、住まいの風通しを良くする役割も果たします。

間取りは自然ありき、自然と共存する家
住宅は一時期、高気密高断熱工法の24時間換気の家が注目を集め、これにより不運にもシックハウス症候群を発症を招き、大きな社会問題ともなりました。今でも、その技術が生かされている住宅は多いようです。ただこの工法では人工環境の中で暮らすようなもので、地域によっては年間を通して冷暖房を入れてエネルギーを消費し続けなければ住むことができないこともあります。
2階平面図

心地よい季節や、お天気の良い日には思いっきり窓を開け部屋の空気を入れ替える、掃除をするときには窓を開けて掃除をする。季節が良い時期にはエアコンは必要ありません。


自然の力を取り入れ、自然環境と共生する家づくりは、まず最初に「自然ありき」と考えたいものです。

南入土地・W-03「家事を軽減する回遊性がある住まい」

概要
床面積 |1階・18.0坪 2階・15.0坪
延床面積| 33.0坪
玄関方向|南入り玄関 No.W-03

コンセプト「家事を軽減する回遊性がある住まい」
主な特徴
|動線計画|小さな家|回遊性|

1日の始まりは朝日が差し込む台所に立ち、体内時計をリセットしてくれる明るい日差しを浴びながら朝食をいただく。
1階平面図

この間取りでは北東方向に空地を設け、台所にも朝日が差し込む計画にしていますが、これはただ台所に日差しを得る目的ばかりではなく、食堂から北方向に植えた木々が、朝日を受けて緑鮮やかに見えるようにしています。

洗面脱衣を抜ける回遊性動線は「諸刃の剣」

この間取りでは「収納」を中心として「洗面脱衣室」を通る回遊性の動線を計画しています。中心を「階段室」としている間取りも見かけます。

回遊性のある動線は動きやすく、機能的であることには間違いない一方で、脱衣室を通る動線は、着替え中に家族が鉢合わせする可能性も十分にあるので、この欠点をよくご理解の上、みなさんの家族構成や暮らし方を考え、この動線をお選びください。基本としては脱衣所には2方向動線を作らないことがお勧めする。

キッチンは危険地帯

キッチンにはコンロや包丁などがあり危険が潜む場所です。家族が頻繁に利用する動線上に危険が潜むことは安全上に重大な問題が残ります。住宅には家事動線や収納面積も重要な要素です、しかしその前に安全であることが優先されるべきではないでしょうか。一見明るく動きやすそうな間取りでも違う角度から見ると、危険性を含んでいるかもしれません。

間取りを検討するときには、色々な角度から検討する柔軟さも必要である。

この間取りには、キッチンと脱衣室を通る回遊式の動線があります。このキッチン動線は家事の軽減には、とても良い動線である一方、小さなお子さんがいる家庭では、とても危険性を含んだ動線といえる。
2階平面図

南入土地・W-02「侘び・寂」の時を味わい非日常空間を楽しむ

概要|
床面積 |1階・19.875坪 2階・14.00坪
延床面積| 33.875坪
玄関方向|南入り玄関 No.W-02

コンセプト|「侘び・寂」の時を味わい非日常空間を楽しむ
特徴
|非日常を楽しむ|来客|自然の中に暮らす

人生を豊かに暮らす住まいを計画したい、とお望みの方には参考にしていただきたい「友人知人を招き非日常を楽しむ住まい」です。
1階平面図

茶席空間|

この茶室は「四畳半大目畳本勝手上座床大目切り※」です。普段使いの「躙口(にじりぐち)」と高貴な客を迎える「貴人口(きじんぐち)」亭主の通る「茶道口(さどうぐち)」懐石の時に使用する「給仕口(きゅうじぐち)」と茶席に使われる各口に加え、庭を楽しむ「露地(ろじ)」「腰掛(こしかけ)」を備えたお茶室を住宅に設える計画をしました。

住宅を茶席に見立て非日常を存分楽しむ設えは、寄付(待合)席に居間を使い、デッキを通りお茶席に進んでいただきます。寄席からデッキに進んだ時から、住宅の気配を消しお茶席の空間となるように考えています。
特に水まわりは生活感あふれる空間であるため、お茶席から距離をもたせてあります、また建具もその時々に合わせて開閉させることにより非日常空間を演出できるように計画しています。

喜びと充実感を感じる住まい

趣味を同じくする友人知人と同じ時を過ごす。次世代の方々に何かを伝える。人々と触れ合う時間は何事にも代え難い喜びと充実感を人生にもたらせるのではないでしょうか。この住まいは、一戸建ての住宅に「お茶席」という非日常空間と時間の創造を一般的な住宅規模で「招き楽しむ非日常の家」をテーマに実現させる間取りを試みた。

自宅でお茶席を開くといえば、お庭の手入れも日々欠かすことができません。これらも暮らしの中では楽しみの一つです、庭から直接出入りできる洗面やお風呂は、庭の手入れをした後でも、直接脱衣室へいけるようにしています。

目に見えない住宅の性能

住宅はただ、家事動線が短いとか断熱性能が良いとか機能面ばかりを考えがちです。でも、それは単に数値として他社と比較しやすく、差別化を図ることに使われ過ぎているようにも思えません。
家事動線が短いことが良い住宅、機能的な住宅が良い住宅だと考えがちですが、人生を豊かに暮らす住宅という心に満足を得る住まいも大切ではないでしょうか。それは機能性のように単純に数値として比較できるものではありませんが、住宅の専門家とじっくり話し合うことで十分に実現できる家づくりです。

2階平面図

2階はシンプルに簡素にしたのは、お茶室に予算を取られそうなので、予算調整目的であることは明白ですね。


※)四畳半大目畳本勝手上座床大目切り

「四畳半大目(よじょうはんだいめ)」は部屋の大きさで、四畳半に大目畳(大目畳は一畳の3/4の大きさ)の畳が加わった茶室の広さです。「本勝手」は主人の右側に客席があることで「上座床」は主人の前に「床」があり、炉が大目畳の脇に切ってあることを「大目切り」と言います。言葉の順番としては「広さ」「亭主から見た客席の位置」「床の位置」「炉の位置」を示し、文字だけでお茶室の様子を知ることができるようになっています。

南入土地・W-01「庭に囲まれた家で心豊かに暮らす小さな家」

概要
床面積 |1階・17.5坪 2階・11.5坪
延床面積| 29.0坪
玄関方向|南入り玄関 No.W-01

コンセプト「庭に囲まれた家で心豊かに暮らす小さな家」
特徴
|小さな家|料理を楽しむ|自然の中に暮らす|

小さな家でも心の豊かさを求めたい。
1階平面図

どのような住宅を希望するか、家族それぞれによって違います。家事動線が短く機能的な住まい、高気密高断熱を追求して小さな窓で自然から隔離されたような家(私にはそう感じます)それも良いと思いますが、この家は住宅の性能より緑に囲まれた日々の生活や心身の豊かさを求める住まいです。

間取りレイアウトは見た通りいたってシンプルな配置です。ワンルームで計画された台所・食堂は朝日が差し込み、居間は一日中明るく南北の心地よい風が通り抜ける。まさに庭・自然と共に暮らす住まいといえるでしょう。階段下は居間から利用できる収納にしています。階段下の空間は意外と広く収納には、お薦めの場所です。
1階平面図 No.2

注意したいキッチンレイアウト
このような間取りでは、No2のようにキッチンを壁に接することも多いようですが、壁からキッチンを離しアイランドキッチンとする方が動きやすく窓位置も自由になります。ほんの些細なことですが実際に生活が始まると大きな差になるので間取りを決定するには決して気が抜けません。

上下階レイアウト
11.5坪の2階に4.5帖の子供室を2室、主寝室は6帖の和室に3帖の納戸を附属させ階段室を中心に左右へ配置しました。


2階を建物西側にレイアウトしてあるのは、1階の居間奥まで、朝日を差し込ませようと食堂・台所の天井を高くして欄間を設けるためです。住宅は立体的に考えることにより、空間はより豊かに広がり、豊かな暮らしを演出するようになるでしょう。

南道路の間取り・C-04「南北に抜ける家」

概要
床面積 |1階・18.0坪 2階・17.0坪
延床面積| 35.0坪
玄関方向|南入り玄関 No.C-04

コンセプト「南北に抜ける家」
主な特徴
動線計画|自然の中で暮らす|子育て世代|暮らしと趣味を楽しむ|

住宅の北側にはトイレや洗面、浴室などの水まわりを配置したくなるようだ。しかし北側だからといって、そんなに毛嫌いする必要もないだろう。

北側の採光は安定しているし、南北に心地よく風が通り抜ける方が健康的であると思う。
1階平面図

北側のデッキや庭は湿気によるカビの発生や、木材が腐りやすいといわれる。また、デッキを作っても夏場は虫に刺されてしまうから昼間しか楽しめない欠点もある。

積極的に通風や採光、景色など自然と親しみ、無駄なエネルギーを使わない暮らしを考えている。建物の平面形は凹凸があると風を受け室内に入る風の量が多くなる。台所と食堂には朝日が差し込み、中央の居間が南北の庭と水まわりをつなぐレイアウトとしている。対角線上に広がる食堂と居間の配置は空間の広がりを生み、南北に取り付けたデッキが、その広がり効果を高めます。

一戸建て住宅だからこそ縁側空間を楽しみたい
多くの方は北側デッキには良い印象を持っていないでしょう。しかし、伝統的に国内で北側のデッキはなかったのかといえば、決してそのようなことはありません、建物の北側も重宝に利用されてきました。
京町家でいえば裏庭、武家屋敷でいえば土縁として多くの建物に設けられています。高温多湿の季節に先人は、この室内でも室外でもない曖昧な北側空間を巧みに利用していたようであり、要するに利用の方法と建物の工夫次第で如何様にも利用できるということです。

住宅はどんな場所でも、日常的に使わなければ痛みます。日頃から使いやすくしておくこと。特に北側のデッキは雨に濡らさないこと、風通しを良くしておくことが大切です。

屋根を付け風通しを良くした間取りを考え、日常の暮らしで積極的に活用することが北側の空間も楽しみ、敷地の特性を生かし敷地全体を使い切ることにつながります。

それならば室内にしたほうが良いのでは?という意見もあるでしょう。しかし室内にしないで楽しむ理由は2つ、伝統の屋内外をつなぐ曖昧な空間を楽しむ事、そしてそれをローコストで実現する事です。

北側デッキは屋根などを設置して雨を防ぎ、南北通風を良くします。できればこの間取りのように部屋の一部であるような空間構成がお勧めです。また日常的に、この場所を利用できる台所から食品庫、水まわりへと通り抜ける動線を設けた上に、虫の侵入を防ぐための網戸も入るようにします。さらに極寒期には網戸の代わりにガラス戸を入れれば、室内の保温効果も期待できるでしょう。

冬には南側のデッキ、夏には涼しい北側のデッキを楽しむ。縁側は外を中に見立て、中を外に見立て暮らしに豊かな空間をもたらせ、室内空間の広がりを感じさせてくれるかけがえのない空間です。一戸建て住宅を計画するなら、この曖昧な空間を楽しまないのはとても残念だと思いませんか?

土地の上に建てる一戸建て住宅だからこそ味わえる空間であることに間違いありません。

2階平面図
2階


3室を南面に配置し、子供室の北側に独立したスタディーコーナーを設けました。ホールの一部に机を置きスタディーコーナーとする間取りもありますが、このように仕切ることで独立した個室を設けることで、北側から採光を得る落ち着いた勉強部屋とすることができる。

南道路の間取り・C-03「家族が一緒に心地よい距離感の中で暮らす」

概要
床面積 |1階・20.0坪 2階・15.0坪
延床面積| 35.0坪
玄関方向|南入り玄関 No.C-03

コンセプト「家族が一緒に心地よい距離感の中で暮らす」
特徴
|子育て世代|夫婦生活|家事動線|

居間と台所を柔らかく分けた空間を造り出すために玄関を中央に配置しています。このような配置にすることにより、家族が集う居間・食堂は一つの部屋でも雰囲気の異なった空間を創り出します。
1階平面図
スタディーコーナーは台所の横に配置して、家事スペースとしても使い、居間と少し距離をおいたこの場所は家族が居間でくつろいでいるときにでも、その雰囲気を感じつつ勉強や作業に集中できるように適度の距離感をもたらせて個々に好きなことができる空間が生まれるように計画されています。

この間取りのように南側に居間食堂、北側に水まわりを配置するレイアウトは間取りの基本で、よく見かける。ただ単純に南北に配置したレイアウトでは南北通風が悪く、強い日が差し込むと明暗の差が強くなり、部屋に落ち着きがなくなる場合があります。

それを避け、通風と部屋の広がりを十分に得るために、この間取りでは、北側にデッキや3帖の畳コーナーを設けて北側に開口部をとり、北側からの採光と通風が得られるようにしています。

さらに建物の四方が見通せる居間・食堂は、もちろん部屋を広く見せる目的ですが、もし敷地内に不審者が侵入しても建物四方の様子を室内から察知することができるため、防犯上にも非常に有効です。

2階平面図 No.1

2階|


2階はLDK上に2階を配置してます。1階階段近くにトイレを配していますので、2階No.1の間取りではトイレは設けていませんが、2階トイレをご希望されるようでしたら2階No2の間取りや、子供室は寝るだけの部屋と割り切ったNo3の間取りを参考にしてください。
2階平面図 No.2
2階平面図 No3


南道路の間取り・C-02「家事は家族全員でします」

概要
床面積 |1階・19.5坪 2階・18.19坪
延床面積| 37.69坪
玄関方向|南入り玄関 No.C-02

コンセプト「家事は家族全員でします」
主な特徴
|子育て世代|動線計画|夫婦の生活と暮らし

木造新築一戸建て、持家専用住宅の全国平均は国土交通省平成25年のデータから123,56㎡約37.36坪。この間取りは全国平均値とほぼ同じ面積の住宅で、無駄と思われる部分を排除すると、各居室がどれほどの広さとなるかを考えつつプランニングしている。
1階平面図

西側の駐車スペースを配置するレイアウトは、南入り土地で南東方向に広く空地をとる基本的なゾーニングです。南側に玄関戸を取り付けても良いが、あまりにもアプローチが単調になること、玄関戸を開放すると道路から内部が丸見えになるので東側に玄関戸を配置している。

居間と食堂を対角線上にレイアウトすることにより対角線上に視線が抜け、より広がりのある空間を作り出す。
台所が南西方向、水まわりは北東方向に配置しているので、調理・洗濯動線は少し長いと感じるかもしれないが、動きやすく居間と食堂は落ち着きのある空間を実現する間取りです。

雨天時の通風
視線の抜けが良い間取りは、空間の広がりを感じる上に通風も良く健康的な間取りといえます。
通風は晴れた日ばかりではなく、雨の日の通風も考えておかなければなりません。かといって防犯性能を低下させたくはないので、開口幅15Cmほどのスリット窓を基本に選び、軒下・屋根下となる場所を選び各所に設置します。この間取りでは、玄関・ポーチ下と洗面・トイレのそれぞれ2箇所ずつ取り付けています。ほぼワンルームに近く計画された間取りであれば、南北に設ける2箇所の開口部で雨天時の換気に十分役立ちます。

家事動線
家事動線は家事を一人でするか、家族が協力し合うかにもより間取りが変わります。家族全員で家事をする間取りは、炊事、洗濯、掃除、育児それぞれの家事が短く完結する動線を作り、家事が簡単に素早くできる動線を求めると良いでしょう。家事を家族全員でする暮らしであれば、家事それぞれの動線が交わらない動線、少し離れた動線の方が暮らしやすいのではないでしょうか。
日々忙しいから家事を協力し合う暮らしを選ぶ。もう少し言えば暮らしの中で子供たちにも小さな時期から家事を手伝わせることで、生活力を身に付ける子育てをするには、間取りの段階から考える必要があるのではないでしょうか。

調理(台所)動線
例えば調理(台所)動線は調理ー運搬ー洗いー片付ーゴミ出しが調理(台所)動線になり、この動線は一直線になるように配置しています。
洗濯動線
洗濯は、洗濯ー干すーたたむが洗濯動線で、洗濯機と物干し場、たたみ分ける動線ですが、この場合には洗濯物をたたみ仕分ける場所を決めておかなければなりません、この家では一般的な居間を使います。
楽な掃除
掃除は余計な間仕切りを設けないで、部屋を広く取り、床に物が散乱しないように十分な収納計画と、暮らしを心がけます。水まわりは湿気が少なくなるように、風通通しを良くしておけば、カビの発生も抑制できます。
2階平面図


上下階レイアウト

総2階建の建物に南西・北東方向に下屋を配置し、2階は階段室・フリースペースを中央に子供室と主寝室を左右へ配置したシンプルなレイアウトです。特に階段踊り場から出入りするトイレは、かなりアクロバティックな配置で、1階トイレ天井高さは詳細な検討が必要になりますが、このようなレイアウトも可能であることを参考にしてください。

参考|各部屋面積
1階
  居間(階段前通路・収納含む):16.75帖
  食堂 6.5帖
  台所 4.0帖(LDK合計27.25帖)
  その他 食品庫・洗面所・脱衣室・浴室・トイレ
2階
  主寝室 9.125帖
  WIC 5.625帖
  子供部屋1 6.5帖
  子供部屋2 6.5帖
  フリースペース 3.5帖

  吹き抜け 2.0帖

南道路の間取り・C-01「四方の景色を味わう家」

概要
床面積 |1階・21.0坪 2階・17.0坪
延床面積| 38.0坪
玄関方向|南入り玄関 No.C01

コンセプト「四方の景色を味わう家」
主な特徴
|景色の中に暮らす|夫婦生活|

南側道路の土地に計画する住宅は採光、南北通風が得られやすい一方で、玄関の位置や道路からの視線には特に気を使う土地といって良いだろう。

中央に玄関を配置するレイアウトは、ある程度の間口がある敷地で、1階に異なる雰囲気がある部屋を希望されるときには良い配置の1つといえる。
1階平面図

一例としてこの間取りでは、中央の玄関を挟み西側に和室、玄関の延長線上から東側に居間を配置している。和室は来客用または、親との同居を計画する場合には有効な間取りです。また玄関を中央付近に配置することにより趣の異なる庭に仕上げやすくなります。和室前は日本式の落ち着いた庭、片方は遊びの庭や菜園・ハーブガーデンなど空地を使う庭などが考えられます。この特性を生かし、ご両親との同居を計画する場合には、庭も含めた生活空間を分けた暮らし方を考えた間取りを実現しやすくなります。

この間取りは二世帯住宅を計画するときにの基本的なレイアウトの一つです。ただ部屋の大きさや部屋数、収納は、みなさんの暮らしと敷地に合わせて調整する必要があります。

3方向に視線が抜け自然とつながる家族の間
敷地の北西方向に空地を設けることにより、敷地と室内の風通しがとても良くなります。また室内空間も3方向に視線が抜けると、とても広く感じられるようになります。

来客が気軽に立ち寄れる住まい

この間取りは二世帯のご家族とともに、来客が多いご家族も参考にしていただきたい配置計画です。和室南側には庭との間に玄関ポーチからつながる土間があり、ご近所の方が遊びにこられても、玄関を通ることなく気軽に立ち寄ることもできます。また来客が宿泊されるときには、水まわりを和室横に配置していますので、和室からの行き来もしやすい配置としています。
2階平面図


2016年7月17日日曜日

北側道路の間取りC-04「季節を味わう住まい」

概要
床面積 |1階・21.00坪 2階・16.25坪(吹抜け3.75坪)
延床面積|36.25坪
玄関方向|北入り玄関 No.C-04

コンセプト「季節を味わう住まい」
主な特徴
|土間がある家|暮らしと趣味を楽しむ|自然の近くに暮らす|子育て世代|

レイアウト
矩形の平面形の西側、水まわりゾーンを南方向にスライドさせ和室西側に坪庭を設けています。このような空地は、ただ観賞用だけでなく採光や風通しにも非常に有効に働きます。

1階平面図

北側空間を楽しむ

和室でなくとも北側に居室を設けることで、一階の南北通風が良くなり、明るく活動的な雰囲気とともに静かで落ち着きのある空間を求める方には、この北側の空間がお勧めです。

このレイアウトのように玄関土間からも入れる居室は、少し広めの建具を開け広々とした玄関を演出したり、不意の来客時にでも居間を慌てて片付ける必要もなく、来客を招き入れることができる上に、この空間の利用方法は暮らしの中で様々に展開するでしょう。

もし、泊まる方がいらしても水まわりが近く重宝し、普段は建具をいっぱい開けて居間の一部として利用できることは言うまでもありません。

吹抜けに設けた階段下は土間にしてあり床高を一段下げ、テラスからも出入りできるようにして薪ストーブを置いています。外から持ち込む薪のストックはこの階段下です。

ひろびろ空間を創り出す

対角線上に視線が抜けるこのレイアウトは、小さな家でも建物を広く感じさせ吹抜け階段との相乗効果で家全体を広々とした空間を実現するとともに、2階の子供部屋を吹抜けに面して計画していますので、家族がどこにいても、お互いに声を掛け合え自然に触れあいが生まれる住まいとなる。

浴室とバステラス

浴室はテラスの中に浴室がある、というイメージで1.5坪の浴室にはシャワーブースを別途設けています。たまには、ゆっくりと外の景色を眺めながら湯船に浸かりたいはないですか?

夏には裸のまま、とはいきませんがバスローブでも羽織って夕涼みがてら湯上りのビールを、テラスで楽しみたいではありませんか。このテラスにビニールプールを出して遊ぶ子供達の笑顔も見たくはないですか。もちろん子供達がプールで遊んだ後は濡れた体のままお風呂に直行です。そうそう、テラスに洗濯物を干す時にもここを通れば良いのです。

冬には薪ストーブの炎を楽しみ夏にはテラスで季節を味わう住まいです。


2階平面図

2階

活動的な1階の間取りと比べ、2階の子供室は静かで落ち着きのある北側に配置してあります。家の中での遊びは思いっきり1階で家族とともに楽しみ、個室は落ち着いて安眠できるように計画しています。一軒の住宅でも、このようなメリハリのある空間を計画することも忘れてはなりません。




子供室南側の手すりを本棚にすればかなりの種能力が期待できますので、多くの蔵書をお持ちの方は、このような場所も有効に利用したいものです。

北側道路の間取りC-03「友人知人と愉しむ住まい」

概要
床面積|1階・20.00坪 2階・16.25坪
延べ床面積|36.25坪
玄関方向|北入り玄関 No.C-03

コンセプト「友人知人と愉しむ住まい」
主な特徴
動線計画|土間がある家|暮らし趣味を楽しむ|自然に近く暮らす|

基本レイアウトは、玄関西側がプライベートゾーン、東側はパブリックゾーンとして、その二つの空間を土間がつなぐ、ご夫婦の友人知人や子供のお友達が遊びにくる家庭のレイアウト。

1階平面図

来客が多いと洗濯物を干す場所も確保しておかなければならい。そこで洗面脱衣室からサービスヤードへ出入りできる通路も設けている。この場所は狭いですが雨天時の物干し場としても考えています。

クッキングストーブを置く土間は、アウトドアで使う道具のメンテナンスや、お気に入りの自転車を飾る場所として、また趣味で知り合った友人知人や、ご近所の方を気軽に招き入れ、四方山話に花を咲かせるなど社会や人とのつながりの空間となります。

土間に置かれたクッキングストーブも台所からその様子が見えやすい位置に置き、じっくり煮込むシチューやピザ焼きなど、暮らしの中で料理をする楽しみを加えてくれる。

2階平面図
2階

薪ストーブの設置を基本として計画してるので各部屋に暖かな空気が流れるように、吹抜けを北側中央にし個室を南側に配置するシンプルな間取りにしています。間取りの極意はなるべく簡素な空間構成を心掛けることです。特に2階は複雑にならないように計画する方が暮らしやすく、無駄なスペースも出来ません。またシンプルな間取りは、将来子ども達の独立など家族構成に変化があったとしても融通性が高く長寿命の住まいを実現するでしょう。

北側道路の間取りC-02「シンプルに暮らしたい」

概要
床面積|1階・18.75坪 2階・14.25坪 
延べ床面積|33.0坪
玄関方向|北入り玄関 No.C-02

コンセプト「シンプルに暮らしたい」
主な特徴
動線計画|子育て世代|暮らしと趣味を楽しむ|

台所と水まわりを隣接させて家事動線を重視した間取り。

居間は東南方向に食堂を北西方向に配置することで、対角線上の抜けが居間・食堂の広がりがある空間と良好な明るさ、風通しを実現させている。さらには広々とした空間でありながらも、動線をコンパクトにまとめることにより、居間には大きな動線を無くすることで落ち着いた雰囲気を実現できます。

ご家族の生活スタイルにより使いやすい間取りは異なります。
この間取りのレイアウトは建物の形を変えることなく、幾通りかの間取りパターンを考えやすく、皆さんの暮らし方にあった間取りをご検討ください。
1階平面図 No.1

No1
台所に立つと家の隅々まで見通せることができる間取りですから、お子様が小さい時期にでも子供の様子を見ながら調理ができるプランです。ご家族揃って夕食をされるご家庭向きで、ご主人の帰宅が遅く、お一人で食事をされることが多いようでしたら、ご主人が一人寂しく食事をすることがないようにしてくださいね。

帰宅時間が遅い方、一人寂しく夕食をいただく方に警告。奥様がこのような間取りを考えているようでしたら、それは家族サービスが不足しているのかもしれません。もっと家族を大切にしてください。人生、仕事ばかりではありませんよ!
1階平面図 No.2
No.2
台所を北側に配置した間取りです。図のように南側は畳コーナーとしても良いですし、ここにダイニングテーブルを置いても良いでしょう。見比べてみるとお分かりでしょうが、No1は居間と食堂が少し離れており居間と食堂には独立性が高いです。それに比べNo2は両室の一体感が増す間取りになります。またNo1の食堂は壁に囲まれ落ち着きのある雰囲気に仕上げやすく、No2の食堂は落ち着きがあるというより活動的な雰囲気に仕上がります。

1階平面図 No.3
No3
No1の間取り東側に和室を設け普段は居間の一部として使います。時には来客時の客間として、またあってはいけないことですが、万が一の不慮の事故や高齢時の身体能力低下で、2階の寝室へ上がれなくなった場合に備えた寝室として利用することも考えられます。

2階
西方向に隣家が建っている敷地では西側隣家の窓と、ある程度の距離を取るため2階は東側に配置させることを基本とした3種類取り上げました。

2階平面図 No.1
No1
吹抜けを設けず主寝室を東南に、子供室を西側にレイアウトしています。寝室の風通しと明るさは抜群に良い部屋になります。ただWICが南面中央にあり位置的にもったいないような気もします。

2階平面図 No.2
No2
No1のWICを主寝室北側に移動して吹抜けにしています。WICは2坪の広さを2室に分け両側は洋服掛けとして、中央上段は季節の寝具起き下段は小物類の置き場として考えてみました。

2階平面図 No.3
No3
主寝室を東側、子供室は東側に配置して押入れを設けた間取りです。吹抜けは暮らし方や敷地条件により取り入れるか入れないか様々です。もし吹抜けが必要なければこの空間を2階のフリースペースとして雨天時や冬期間の物干し場として利用しても良いでしょう。

この間取り案は1階と2階の組み合わせは自由にできるように計画しています。

基本的にはどの間取りも採光や風通しは良く住宅本体はどれでも心地よく暮らせます。皆様の暮らし方により同じ形、同じ面積の建物であっても、間取りは様々に変化することを少しでもご理解いただけましたらと願っています。


そして、これが間取りを考える上で、楽しみでもあり怖さではないだろうか、ですから間取りは、いろいろな方向から検討を重ね慎重に決めたいものです。