2016年7月1日金曜日

京都東山に建つ通常規模の「京町屋」

京都|東山「京町屋」

建築年 明治期
所在地 京都符京都市東山区

京都東山に建つ通常規模の京町屋


1階床面積 18.75坪
2階床面積 13.75坪(吹き抜け2.5坪)


京町家 平面図

京都町家の敷地の広さは、京都市の調査で15〜25坪未満が29%、25〜45坪未満は25%と15坪〜45%未満の敷地面積の建物が大半である。この建物は東山にある通常規模の住宅といってよい。両側の隣家とは壁を接しているので窓はなく、採光は道路と裏庭(前栽)からと、内庭にある吹き抜けに取られた高窓からのわずかな採光から得ている。吹き抜けはカマドから漏れる煙の排出にも有効で、高窓の開閉は紐引きで操作する。
この建物は上下階の部屋の広さ、開口位置、柱壁の位置も同じくしていて当時建築された街中にある建物の典型的な例といえる。また町屋の通例である片側通り庭(土間)は、家の奥にある厠は当時、汲み取り式だったこともあり下足で自由に裏庭まで通り抜けられる。

京都市では京町屋の種類として下記の7種類としている。記載している軒数とと比率は平成20年10月から平成22年3月に調査された報告書※によるものである。

京町家の種類

総二階(そうにかい)25,069軒  52.5%
2階の天井が1階並みにあり、木枠にガラス窓が一般的である。明治後期から昭和初期にはやった様式で、本二階ともいう。

厨子二階(つしにかい)5,631軒  11,8%
2階の天井が低く、虫籠窓がある。近世後期に完成し、明治後期まで一般的に建築された様式で、中二階ともいう。

三階建(さんかいだて)164軒  0.3%
3階建ての町家。

平屋(ひらや)6,147軒 12.9%
1階建てで、表に店舗をもたない。中世の町家はほとんどが平屋であった。今日では「平家」と表記することも多い。

仕舞屋(しもたや)1,195軒 2.5%
住居専用の町家。店を「仕舞った」つまり商いをやめた店からきている。

大塀造(だいべいづくり)1.168   2.4%
直接には建物が道に面しておらず、表通りに塀をめぐらして玄関先に庭、その奥に家屋を配した屋敷をいう[10]。塀付き、高塀造(たかべいづくり)ともいう。

看板建築(かんばんけんちく)8,361  17.5%
町家の表側を近代的に改装したもの。昭和中期の高度経済成長期に改修が施されたものが多い。外観は京町家とは大きく異なるものの、戻すことは比較的容易である。

※「京町屋の特徴」
平成20年10月から平成22年3月調査
実施主体 京都市、財団法人京都市景観・まちづくりセンター、立命館大学
京町屋の軒数と類型

参考

「間取り百年」吉田桂二著:彰国社刊

0 件のコメント:

コメントを投稿