「栗山邸」
設 計 浜口 ミホ(はまぐち みほ|1915年〜1988年)
建築年 1950:S25年頃
規 模 木造平屋 68.2㎡
所在地 東京都内(現存しない)
日本初の女性一級建築士が設計した住宅
この栗山邸は、封建的な住宅の間取りを強く批判し、民主的な住宅のあり方を主張した、戦後初の女性一級建築士浜口ミホの作品である。
中でも台所と食事と同じ場所に融合させ、明るく清潔な台所や家事動線の簡素化など、その時代によく見られた男尊女卑の考えを批難し、家庭内における女性の地位向上を訴えた。
「栗山邸」平面図 |
間取りの基本は民主的てあり、女性の地位向上を訴えた女史はの作品は「居間中心型」間取りで構成されている。とはいうものの、令息室が玄関からの出入りになっており、多少の不自然さを感じる間取りとも言えなくはなく、住み手(特にご主人)との打ち合わせの中で、設計者の苦悩もうかがえる。とはいえ、台所は朝日が差し込み、明るく広めの空間と流し台から連続する食卓は、夫人に好評だったと思われます。この台所にも調理トライアングル動線、つまりコンロとシンク、冷蔵庫を三角の動線で結ぶと動きやすいと発表しますが、この住宅も浴室側に冷蔵庫を設置していたものと思われ、家事労働の軽減を訴えていた設計者の主張が見て取れます。
戦前まで「西洋館」「洋風住宅」と呼ばれ、主にイス座とベッドで構成されていた「居間中心型」の住宅だが、この住宅には、個室化した「畳の部屋」を縁側でつないでおり「居間中心型」の住宅が、国内でも広く受け入れ易くなった間取り例である点にも注目したい。
建築年は特定されないが、資料では1950年から1953年の間といわれています。
0 件のコメント:
コメントを投稿