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2016年8月4日木曜日

西道路間取り・C-02|「つながり」がある住まい

概要
床面積 |1階・21.0坪 2階・14.0坪
延床面積| 35.0坪
玄関方向|西入り玄関 No.C-02

コンセプト「つながり」がある住まい

主な特徴
|仲の間|動線計画|暮らしと趣味を楽しむ|子育て世代|自然の近くに暮らす|料理を楽しむ|夫婦の生活と暮らし|

「仲の間」とは「屋外」と「屋内」を曖昧につなぐ日本建築独特の「縁」「軒下」の空間に見立てた「ニワ空間」であり、ここでは「社会」と「家庭」を緩やかにつなぐ「場」として機能させている。友人や知人、ご近所さんが気軽に立ち寄りやすい「広場」と考えても良いだろう。
1階平面図
普段は居間として家族が使う「仲の間」も、食堂と台所の間に小壁を設け、どちらの部屋からも広く感じさせる効果を得ている。加えて小壁を設けているのは、意識的に台所からの距離感を感じさせるためでもあ李、日々忙しく家事労働をされていれば、夕食後のリラックスできる時間は家事を忘れ、のんびり過ごしたいと誰もが願うことである。
台所から離れた空間で、のんびりと映画鑑賞や読書、時にはキャンドルの灯りの中お気に入りの音楽に包まれ、ご夫婦で語り合う良い空間となるだろう。

「仲の間テラス」はまさに「縁」「軒下」の外部空間と内部空間をつなぎ、屋外でも屋内としても使える空間です。お天気の良い日にはここで少し遅めの朝食やバーベキューを楽しみ、夏には夕涼み、秋には七輪を持ち出しグラス片手に秋刀魚をつまみ秋の長夜を楽しむ。その使い方は自由自在その時々や季節を楽しみ、暮らしを豊かに演出する場所です。
虫刺されが気になるようでしたら、南側に網戸を入れると良いですね。また浴室からのバステラスも兼ねており子供達がビニールプールで遊んだ後は、そのままお風呂へ直行。庭でどんなに泥だらけになっても全く気にする必要もありません。

この間取りは、延べ床面積35坪という国内では平均的な新築一戸建て住宅床面積の中で、広々と豊かな暮らしを実現する手法を盛り込んでみました。まず無駄と思われる廊下を省くため、1階で、あえて廊下といえば階段下トイレ前の90Cm角の空間だけです。

家族で使うLDKは、その空間が対角線上にがつながるように配置している。対角線上に抜ける端から端まで見通せる空間は広さを感じさせ、さらにはテラスを設けることで自然と屋外との一体感を感じ部屋をより広く感じさせる。

西入の土地であれば東側に建つ隣家の影響で採光や眺望の多くを期待できないことから、東方向の視線を遮る目的で水まわりを東側に配置して、西側の採光や眺望を取り入れるレイアウトを選んでいる。

2階平面図
2階
主寝室は住宅内で最もプライバシーの確保に気遣う空間です。就寝前には子供たちの様子を見ながら寝室に向かい、WICを前室として寝室に入る長い動線ですが、この動線とWICを子供室との間に配することにより寝室は、よりプライバシーを高めることができます。ここまで必要とされないのであれば、廊下から直接、主寝室に入れる室内建具を設ければ良いです。

2階の子供室を北にレイアウトしているのは、落ち着いた部屋を求めてこの配置にしています。活発に活動するお子さんに育てたいなら子供室は南面が良いですね。

大切なお知らせ・・・
人それぞれの考え方ですが、家族との時間を大切にしたいと願う方、友人知人あるいは地域の方々とのつながりを深めたいと思っている方、子ども達の育て方や夫婦生活のあり方に至るまで、間取りには住む人の意思や考え方を詰め込むこともできます。また、それを表現する力もあると言っても言い過ぎではないだろう。


間取りを考え始める時には是非に建物の性能だけではなく、間取りに潜む力も信じ、より多くのものを求める間取り計画をしていただきたいと願っています。

2016年7月28日木曜日

南入り玄関の間取りNo.E03

概要
床面積 |1階・18.5坪 2階・16.5坪
延床面積| 35.0坪
玄関方向|南入り玄関 No.E03
特徴
家事動線|回遊性|バステラス|2階学習室|花粉症対策|家庭菜園|

暮らしや健康を考えた動線計画
住宅の動線は家事動線ばかりではありません、起床動線や帰宅動線、就寝動線など生活には様々な動線があります。健康や仕事、暮らし方から間取りを考えると、このような動線が暮らしやすい方もいらっしゃると思います。

この住宅は帰宅動線に注目してください。あまりこの動線がある住宅は少ないというか、必要とする方は少数派でしょうが、健康や職業によっては、この動線を必要とする方も多くいらっしゃると思いますので参考にしてください。

1階平面図 No.1


インフルエンザの季節|
インフルエンザが流行する季節に有効な予防法の一つが、帰宅直後の手洗いです。帰宅直後には、できるだけ何も触らずに洗面場へ直行し、石鹸で綺麗に手洗いをすることです。
玄関脇に手洗器を設ける方法もありますが、やはり大きめのボウルで石鹸で丁寧に手を洗いうがいをすることが一番です。

花粉症の季節|
花粉症で苦しむ時期には、とにかく家に帰りすぐに花粉を落として楽になりたい、家の中にも花粉を持ち込みたくない。帰宅直後には居室を通らず、お風呂場へ直行してシャワーを浴びたい、少なくても手洗いや洗顔をしたいと希望される方も多いではありませんか?着替えの衣服は階段下収納をクローゼットにして衣服を収納しておきます。

仕事柄|
服や身体に粉塵や油、臭いが付いてしまい帰宅直後には服を脱ぎ体についた汚れを落としてしまいたい。汗をかく季節は着ていた服を洗濯機に放り込み、お風呂でさっぱりしたい。仕事柄にもより、このような玄関からの帰宅動線を考える間取りもあります。

喘息|
花粉と同じで、衣服についたホコリは家の中で舞い散り、掃除の頻度を高めます。もしお子さんが気管支喘息をお持ちであればなおさら、室内環境は良好に保ちたい。そこまでいかなくてもご職業や健康状態から間取りを考えるべきではないでしょうか。

趣味を楽しむ|
家庭菜園が趣味で泥だらけになってしまい汗と土で汚れた体をきれいにしてから部屋に入りたいと、ご希望される方、アウトドアが趣味で雨の日には自宅でグッズの手入れをしたい方など、暮らしを豊かに趣味を楽しむ方こそ、この動線や機能を参考にしていただきたい。

仕事や健康、暮らし方、趣味から間取りを考えると家事動線より他の動線を優先する方が暮らしやすい場合もあるのです。

1階平面図 No.2

居間の雰囲気
No.1は居間を横断する動線があり、よく言えば居間に動線が集まり活動的な住まいですが、悪く言えば落ち着きのない居間になりやすいです。家事動線を短く、落ち着きのある雰囲気をご希望されるようでしたら、No2の間取りが良いでしょう。


2階平面図
2階|


階段を上がり正面にトイレその西側を廊下として子供部屋へ続きます。廊下が単なる移動空間であれば無駄は空間だと思いますので、一部をフリースペースと収納スペースに利用しています。フリースペースには机を備え付けてもいいでしょうし、収納を増やしてもいいでしょう。

2016年7月17日日曜日

北入り玄関 W-02「暮らしに合わせた間取りを考えたい」

概要
床面積 |1階・20.0坪 2階・15.0坪
延床面積| 35.0坪 車庫5.25坪
玄関方向|北入り玄関 No.W-02

コンセプト「暮らしに合わせた間取りを考えたい」
主な特徴
動線計画|ガレージ|子育て世代|将来に備える|

西側に駐車場や車庫を設けると東側空地が狭くなりますが、住宅が建てこみ東側の日差しが期待できない敷地であれば、西側に車庫を配置して東側の採光を住まいに取り込む、このようなレイアウトの間取りも検討すべき。

1階平面図 No.1

この間取りのように独立性が高い和室は、落ち着いた雰囲気になります。それは子育ての和室というより、精神的なゆとりや、落ち着きのある雰囲気を求める空間で、来客時の応接室としての機能を希望するご家族向きでしょう。

さらに広めのウッドデッキ(濡れ縁)を設ければ、そこに回遊性の動線が生まれ、居間と和室のつながりが強く感じられ、晴れの日などは子供たちが走り回る様子が思い浮かびます。

ウッドデッキ一つでも部屋の雰囲気や使い勝手が、ガラッと変わるところは、間取りの怖さでもあり、いろいろな方向性から考える必要を痛感する。

将来に備え計画する

このように独立性の高い部屋が一部屋1階にあれば、もし万が一にも2階の寝室へ上がれなくなる体調不良に見舞われたとしても、大きな改装をすることなく、この和室を寝室として利用することも可能になる。
もっと積極的に将来の体調も見越した計画をするのであれば、トイレと洗面の間は壁でなく簡単に取り外せる建具で仕切り、水まわりを一部屋として利用できるようにしておくと、車椅子でも楽に動き回れる計画となる。

+αを住まいに求める

気持ちよく暮らす住宅、動きやすい住まいに加えて、人生を豊かに趣味を楽しむ暮らす。もっと多くのことを間取りに求めたい。

この間取りで車庫と和室の関係を例にしてみる。No.1のように両室を接することで、いつでも室内から愛車を眺めることができるようになる。また、施錠方法を工夫すれば、室内からでも車に乗ることも可能になる、これは子供や体調不良の方がいるご家庭には便利でしょう。
1階平面図 N0.2

一方で、もっと家族の空間を広く感じさせ積極的に風通しや採光を得たいと希望されるようでしたら、No2のように和室と車庫の間に坪庭を設ける方法もある。小さな空間だが坪庭を設けることにより、暮らしを豊かに演出し、さらには居間の風通しも良くなり視線も抜けて部屋が広く感じることができるようになる。


2階

この間取り案は車庫と和室、浴室一部が下屋として計画しているので、2階はどちらの間取りにも対応できます。

子供室を寝るだけの個室と考えるなら、7.5帖の広さを2室にした少し狭い空間ですが、子供室とは別に独立した勉強部屋を設けているので、子供の空間としては十分ではないでしょうか。
2階平面図 No.1
2階ホールの一部をスタディーコーナーに利用する方法もあります。しかし、ホールの一部を勉強部屋にすると落ち着きには欠ける。本来なら勉強部屋は北向きの部屋が理想です、もし北側に書斎や勉強部屋の空間をとれなければ東向きであっても全く問題はない。

寝室のプライバシー

ご夫婦には子供に聞かせたくない話や見せたくない姿もあるでしょう。そのような意味でも、ご夫婦の主寝室は住宅内で最もプライバシーを必要とする、逆に言えば主寝室以外にプライバシーはいらないと言ってもよく主寝室は子供達の就寝ゾーンと離して計画したい。
2階平面図 No.2

住宅の規模によっては隣接せざるをえない場合もあります。どちらにしてもご夫婦のプライバシーを守るには、寝室に前室があるとより落ち着いた部屋を実現しやすく2階No2の間取りのようにWICを前室として使う間取り計画もある

2階ウッドデッキ


寝具類を干すために2階にベランダを希望される方が多く、住宅会社では防水工事をしたベランダを提案されます。時には1階居室上にも平気でベランダを設置しているようですが、いくら新築時に排水管の防露対策や、防水工事を怠りなく施工しても、経年変化の劣化や地震時の揺れ、変形により防水が亀裂して雨漏りの発生を引き起こす可能性は拭いきれません。


その可能性を取り去るには、安易なベランダは止め計画的な2階ベランダの設置をお勧めします。例えば、この間取り1階No2であれば和室の屋根高さを調整し、屋根上にベランダを設けると将来の漏水対策にも有効だ。