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2016年8月6日土曜日

夫婦二人で暮らす平屋の住まい

シンプルな間取り


間取りは簡素なほど暮らしやすい。あまり多くの間仕切りで仕切られた部屋よりも、一部屋として家全体を、端から端まで使い切る計画が暮らしを豊かにする。それは、ただ単に場所として使い切るばかりではない。視覚的にも空間や動線としても使い切り、さらに加えるなら敷地ともつながり自然と一体化することで、敷地も生活の場として使用することができる。

間取りは夫婦二人で自然の中に暮らす平屋の住まいです、敷地南側は景色がよく趣味の家庭菜園を楽しむ小さな菜園を計画している。今回は部屋の広さや動線を持つ間取りで暮らし方の違いにより部屋の配置が、どのように間取りが変化するか、糸口を掴んでいただきたい。

二人の生活と間取りの違い

NO1
No1平面図
玄関から台所の横を通り居間へ入ります、水まわりは寝室の西側に配置し夏の強い西日を和らげる役割も果たしていますが、寝室を抜けて使用するトイレの位置は来客には使用しにくい位置になり、ほぼ住人専用となります。来客はあまり考えず、ご夫婦が二人でのんびりと暮らすための、プライバシーが高くご夫婦だけが楽しむ別荘のような間取りとなります。


NO2
No2平面図
玄関からつながる食堂は朝日が差し込み心地よい日差しの中で1日を始めるには最高の食堂となります。またご近所の方がフラっと遊びに来ても気軽に招き入れ、お茶をしながら会話を楽しむ場所にもなります。トイレを含めた水まわりを居間と寝室の間に設けてありますので、来客もあまり気にすることなく利用できるでしょう。ワンルームタイプで開放的な間取りですが、友人知人またご近所の方が遊びに来られても良い間取りとなります。居間でくつろぐ時には台所が見えないように、壁と建具で仕切りを設けています。ある程度社会とつながりご夫婦の時間を楽しむ方にはお薦めの間取りとなります。


NO3
No3平面図
玄関から社会とのつながりが強い順に部屋を配置しています。社会とのつながりが強くなるため、部屋の雰囲気は少々落ち着きが少なく活動的な住まいといっても良いでしょう。アウトドアを楽しみ知り合った仲間を自宅に招くご夫婦には適していると思います。

2016年8月4日木曜日

西入土地・S-03「晴れた日には窓を開けたい」

概要
床面積 |1階・18.75坪 2階・15.75坪
延床面積| 34.50坪
玄関方向|西入り玄関 No.S-03

コンセプト「晴れた日には窓を全開にしたい」
主な特徴
|暮らしと趣味を楽しむ|

夏の西日を考えると、よほど西側の眺望が素晴らしい土地条件以外で、西に大きな開口を計画したいと考える方は少ないだろう。西側道路の土地は、外からの視線を気にすることなく、カーテンを開け庭を楽しみ暮らす間取りを求められやすい。
1階平面図

道路からの視線が気になって、カーテンを開けられない住宅が意外と多いのには驚きます。
街中や住宅地でも窓を全開にして庭や草花を見て暮したい、と願う方は多いのではないでしょうか、カーテンを閉めているのは、設計時に道路からの視線も考えていなかった結果ではないでしょうか。

明るく風通しが良い間取りでも、実際には道路からの視線が気になって、カーテンも閉めなければ暮らせないなどとは、決してあってはならないことです。
間取りの段階で視線も十分に考えておかなければなりません。

窓の位置や高さ袖壁、庇の設置を検討し建物本体だけで不十分でしたら、塀の設置も間取りの段階で考えておかなければなりません。

さらに塀と建物に囲まれた坪庭は小さな空間でも、採光や通風に有効で視線を遮る効果を発揮します。
この間取りでは西側の坪庭です、居間からの視線の抜けも良くなり食堂の北側壁面にまで光が差し込み、たった1坪ほどの屋外空間ですがこの空間が、あるのとないのでは部屋の雰囲気に大きな差が生まれる。


北側外壁面にあるような小さな袖壁も視線対策には有効です。さすがに窓正面に立てば室内を見通すことができますが、幅20mほどの窓であれば、ジッと覗き込む人もいないでしょうし、たとえ覗かれたとしても、人が座っているところまでは見えません。またこの細い窓は通風と明るさを求めるばかりではなく、空間に広がり感をもたらせてくれる。
2階平面図

西入土地・S-02「将来に備えた住まい」

概要
床面積 |1階・20.6坪 2階・15.25坪
延床面積| 35.85坪
玄関方向|西入り玄関 No.S-02

コンセプト「将来に備えた住まい」
主な特徴
|暮らしと趣味を楽しむ|将来に備える|

「住まいは暮らしをかたちにすること」です。間取りを考える時、現在の暮らしを見直し間取りに生かすことは、とても大切なことに間違いない。

しかしそれだけでは不十分。将来のライフスタイルも想像して間取りに反映したい。さらには危機管理といえば大袈裟かもしれないが防災対策も施しておきたい。

1階平面図
建物本体の耐震性能は大きな災害が発生する度に建築基準法の改定が行われ、耐震性能が向上し、防火性能も同法律で制限されている。地域の危険性や罹災時の備えに関しても行政から多くの情報が発信されている。

しかし、間取りに関しては自らが考えなければならない大きな問題である。

間取りに関わる災(わざわい)とは、やはり身体に関わる問題であろう。病気や怪我、事故または年齢による身体能力の低下で、間取りが合わなくなる、または制限が生じて暮らしにくくなることも考えられる。

その時になって自宅を大改装する必要性が発生すれば、家計にも大きな出費を強いられ、無理な改装は家族の暮らし方にも大きな変化を強いるかもしれない。少しの工夫で事前に備えておくことで、ほぼ出費の必要なく、家族の暮らし方にも大きな影響を及ぼすこともなく快適に暮らせる。

将来の「もしかして」に備えた間取りを考えておきたい。

一番の大きな問題は寝室、計画当初から1階に寝室を設けておけば問題はないが、階上であれば上がれなくなり1階に寝室が必要となる。この間取りでは和室を寝室として利用できるようにしている。

よほどの重症に陥ってしまったり、さらに車椅子を必要となってしまった場合には水まわりが近い方が良いであろう。

その時に備え新築当初は押入れの一つとして使う場所を水まわりと直結させる。この時は押入れの裏面はパネルにしておき必要になれば、そのパネルを取り払えば良い。体の状態に合わせ、ここに便器を移設しても良いし、そのまま出入り口と利用しても良いだろう。

体調が思わしくなく、居間と離れ個室化した寝室にただ一人でいることは精神的な苦痛を与え、身体とともに精神的にも病んでしまわないように家族とのふれあいは大切である。寝室として使う場合でも家族の集まる空間と一体感を持たせ、いつでも会話できるようにしておきたい。たとえ子供が2階にいる時でも声が届くように吹き抜けがあると安心できるだろう。


今回「和室」と間取り図には表記しましたが、この部屋はもちろん広々とした居間として計画しても良いと思います。日々体調に気遣って暮らしていても、やがて身体能力の低下や、障害を受けた時でもどのような状態になったとしても、自宅では心地よく暮らしたいと願うのは当然です。そのためにも間取りを考える時には、もしも、万が一にもと、たとえ考えたくないことでも、頭の隅に置いておくべきではないだろうか。
2階平面図


西入土地・S-01「家族のふれあいが生まれる住まい」

概要
床面積 |1階・17.5坪 2階・15.75坪(吹抜け3.5坪)
延床面積| 33.25坪

玄関方向|西入り玄関 No.S-01
コンセプト「家族のふれあいが生まれる住まい」
主な特徴
|動線計画|暮らしと趣味を楽しむ|子育て世代|アレルギー・花粉症対策|

家のどこにいても、ちょと呼べば声が届く家に暮らしたいと希望される方に、コンパクトで広々と暮らす総二階の間取り案です。
1階平面図


コストダウンを考慮した家づくりを計画するには「平面は矩形にすること」「総二階を基本とすること」「シンプルな間取りを心がける」「設備は集中させる」などのルールがあります。

これらのルールを考慮に入れながら暮らし方を尊重し間取りを考えていきます。

今回のコンセプトでは吹き抜けが必要でしょう。吹き抜けは北側の「台所」上と南側のリビングに設けています。各吹き抜けは2階フリースペースを挟み各部屋を一体化させ、それぞれの子ども部屋から顔を覗かせると1階に居る家族の顔が見えるように配置してあります。

吹き抜けは夏季には風通しに役立つ吹き抜けも、冬季には室内の気温差による対流が発生し、一階ではコールドドラフトと呼ばれる冷たい微風を感じることがあるため、建具や暖房設備などで、その対策をしておくことをお勧めいたします。

浴室・洗面所西側の物干しはバスデッキも兼ねており。外からの視線を遮るために、道路境界線近くまで建物と一体化させた塀を計画しておかなければなりません。

吹き抜けがある住宅は風がよく通り抜けるので、健康に気を使っている家族にはその埃対策も欠かせません。特に花粉症の方にとって室内環境は重要な問題です。

花粉症対策はやはり、家庭内に花粉等を持ち込まないことです。外でなるべく花粉を払い、帰宅直後には手洗いと洗顔、できればシャワーをさっと浴びるとさらに家庭内へ持ち込む花粉を減らすことができます。
2階平面図

西道路間取り・C-04「夏のダイニング・冬の食堂」

概要
床面積 |1階・20.0坪 2階・12.0坪
延床面積| 32.0坪
玄関方向|西入り玄関 No.C-04

コンセプト|「夏のダイニング・冬の食堂」
主な特徴
|動線計画|暮らしと趣味を楽しむ|自然の近くに暮らす|季節を楽しむ|

建物中央付近にアイランドキッチンを置き東側に水まわりを配置した間取り。浴室は乾燥しやすい南側を選んだ。
1階平面図
日本の暮らしには季節ごとにしつらえを替え、心地よく過ごす風習があります。これは単に心地よさを求めるだけでなく、年中行事の一つとして、暮らしに変化を与え新たな気持ちで季節を送るイベントの一つであったともいえる。

豊かな暮らしには、このようなイベント「季節のしつらえ」も必要であると思う。しかし最近の住宅は、このような習慣も忘れ去られ室内は季節の変化も希薄になっているように思える。年間を通して同じ室内環境に暮らすことは刺激の少ない、つまらない暮らしへと導いてしまうかもしれない。

夏には涼しい北側にダイニングテーブルを置き、寒い季節には暖かな日差しの中を食事場所に選んでも良く、生活の場所は、ただ一箇所だけに固定する必要もないだろう。

一年中、同じ場所で食事をするのは寂しくありませんか、季節や時間その時々のご気分や来客時などに応じて食事の場所を変えることができる。かといってキッチンからあまり遠くでは不便だ。ご家族の「夏の食堂」「冬のダイニング」さらには、お客様を招いた時でも台所からサービスしやすい位置が良い。

2階平面図


2階は夫婦と子ども二人の家族として主寝室と納戸、子供部屋2室、トイレを設けて床面積12坪の中に納めている。この面積は、上記4人家族が2階個室は主に就寝のためだけと小さく造り、家族共有部分を広く計画する場合の目安となるだろう。

西道路間取り・C-02|「つながり」がある住まい

概要
床面積 |1階・21.0坪 2階・14.0坪
延床面積| 35.0坪
玄関方向|西入り玄関 No.C-02

コンセプト「つながり」がある住まい

主な特徴
|仲の間|動線計画|暮らしと趣味を楽しむ|子育て世代|自然の近くに暮らす|料理を楽しむ|夫婦の生活と暮らし|

「仲の間」とは「屋外」と「屋内」を曖昧につなぐ日本建築独特の「縁」「軒下」の空間に見立てた「ニワ空間」であり、ここでは「社会」と「家庭」を緩やかにつなぐ「場」として機能させている。友人や知人、ご近所さんが気軽に立ち寄りやすい「広場」と考えても良いだろう。
1階平面図
普段は居間として家族が使う「仲の間」も、食堂と台所の間に小壁を設け、どちらの部屋からも広く感じさせる効果を得ている。加えて小壁を設けているのは、意識的に台所からの距離感を感じさせるためでもあ李、日々忙しく家事労働をされていれば、夕食後のリラックスできる時間は家事を忘れ、のんびり過ごしたいと誰もが願うことである。
台所から離れた空間で、のんびりと映画鑑賞や読書、時にはキャンドルの灯りの中お気に入りの音楽に包まれ、ご夫婦で語り合う良い空間となるだろう。

「仲の間テラス」はまさに「縁」「軒下」の外部空間と内部空間をつなぎ、屋外でも屋内としても使える空間です。お天気の良い日にはここで少し遅めの朝食やバーベキューを楽しみ、夏には夕涼み、秋には七輪を持ち出しグラス片手に秋刀魚をつまみ秋の長夜を楽しむ。その使い方は自由自在その時々や季節を楽しみ、暮らしを豊かに演出する場所です。
虫刺されが気になるようでしたら、南側に網戸を入れると良いですね。また浴室からのバステラスも兼ねており子供達がビニールプールで遊んだ後は、そのままお風呂へ直行。庭でどんなに泥だらけになっても全く気にする必要もありません。

この間取りは、延べ床面積35坪という国内では平均的な新築一戸建て住宅床面積の中で、広々と豊かな暮らしを実現する手法を盛り込んでみました。まず無駄と思われる廊下を省くため、1階で、あえて廊下といえば階段下トイレ前の90Cm角の空間だけです。

家族で使うLDKは、その空間が対角線上にがつながるように配置している。対角線上に抜ける端から端まで見通せる空間は広さを感じさせ、さらにはテラスを設けることで自然と屋外との一体感を感じ部屋をより広く感じさせる。

西入の土地であれば東側に建つ隣家の影響で採光や眺望の多くを期待できないことから、東方向の視線を遮る目的で水まわりを東側に配置して、西側の採光や眺望を取り入れるレイアウトを選んでいる。

2階平面図
2階
主寝室は住宅内で最もプライバシーの確保に気遣う空間です。就寝前には子供たちの様子を見ながら寝室に向かい、WICを前室として寝室に入る長い動線ですが、この動線とWICを子供室との間に配することにより寝室は、よりプライバシーを高めることができます。ここまで必要とされないのであれば、廊下から直接、主寝室に入れる室内建具を設ければ良いです。

2階の子供室を北にレイアウトしているのは、落ち着いた部屋を求めてこの配置にしています。活発に活動するお子さんに育てたいなら子供室は南面が良いですね。

大切なお知らせ・・・
人それぞれの考え方ですが、家族との時間を大切にしたいと願う方、友人知人あるいは地域の方々とのつながりを深めたいと思っている方、子ども達の育て方や夫婦生活のあり方に至るまで、間取りには住む人の意思や考え方を詰め込むこともできます。また、それを表現する力もあると言っても言い過ぎではないだろう。


間取りを考え始める時には是非に建物の性能だけではなく、間取りに潜む力も信じ、より多くのものを求める間取り計画をしていただきたいと願っています。

2016年8月3日水曜日

西入り玄関 N-04「家族でクッキング!! 料理を楽しむ家」

概要
床面積 |1階・17.75坪 2階・14.00坪
延床面積| 32.75坪
玄関方向|西入り玄関 No.N-04

コンセプト「家族でクッキング!! 料理を楽しむ家」

主な特徴
|土間がある家|暮らしと趣味を楽しむ|自然の近くに暮らす|夫婦の生活と間取り|

お料理を楽しむキッチンは土足のままでも使える土間が良い。
1階平面図


食材を抱え帰宅して、そのままキッチンの大きなテーブルにドッカンと袋を置く、本格的な料理を調理するには床のことを気にしていられない。
でも床に付いた汚れやシミはとても気になる、無垢板のフローリングなどでは落ちない汚れも、床を土間仕上げにしておけば気にならないし、ゴシゴシとタワシで掃除することも出来る。

料理を楽しむ人は食材の安全も気になるのではないだろうか。野菜の多くは皮部分が美味しいこともよく知られている、この美味しい部分を楽しむには、やはり無農薬の有機栽培された野菜を使いたい、それには小さくても家庭菜園で収穫した旬の新鮮野菜を使いたくなるだろう。

気軽に菜園の野菜を摘みに行き、採れたての野菜を美味しくいただきたい。

「もし子どもが好き嫌いをするなら、自分でその野菜を栽培させなさい。きっと食べらるようになるから」とは知り合いの児童心理の専門家の話。
子どもの中に非常に敏感な味覚をもつ子がいて、野菜についた農薬の嫌な味が気になり、その野菜を嫌いになる子もいると・・・、これは随分以前に読んだ漫画「美味しんぼ」で読んだ話だ。

室内での調理は難しい料理もあります、例えば燻製や脂がのった旬の魚を本格的に炭火で焼くなどは、とてもとても室内で挑戦することが難しい。

そこでここではキッチンテラスを計画している。
もちろん、ここにバーベキューセットを持ち出し、ビールを片手にのんびりと楽しみたい。

しかし外だからといっても昨今の地域環境では安心してはいられない。突然に豪勢な煙を上げると、ご近所さんから「あら、七輪で焼いた秋刀魚ですか、私も食べたいですわ」などと、おねだりされる程度ならまだマシだが、119番などされると大きな問題に発展するかもしれないので、日頃の隣近所とのお付き合いは大切にしておかなければならないかも。

この間取りは「食」をテーマにしたコンセプトプランです。
「食」をコンセプトといえば重々しく、今後のTPP承認や農産物の国内自給率、ポストハーベストを含めた農薬、食の安全、産地偽造などなど社会問題にまで広がりそうですが、そこまで大な問題を考えている訳ではありません。

料理を楽しむご家族が一緒に台所に立ち調理しながらその日あったことを話し合ったり、ご家庭の味を伝えたり。たまには料理を通して親の考え方を子に教える。
「食育」という言葉もありますが、そこまで大上段に構えることもなく、何気ない日常の暮らしから、子供達に何かを感じさせる、覚えさせることも大切ではないでしょうか。

2階平面図


間取りの考え方や計画で、日々の暮らしや子供達に何かを伝える力になる力添えになり得ることも知っていただきたい。

西入り玄関 N-02「友人知人を招く家」

概要
床面積 |1階・18.0坪 2階・17.5坪
延床面積| 35.5坪
玄関方向|西入り玄関 No.N-02
主な特徴
|動線計画|暮らしと趣味を楽しむ|

玄関から入り左右に動線が分かれ、一方は居間への動線で片方は台所へつながる。

1階平面図
玄関を通り抜ける回遊性動線とも言えるが、ここでは玄関からの二方向動線と理解してほしい。

この2方向の動線が動きやすく活動的で、かつ落ち着きがある空間を実現するという相反する空間をもたらせてくれる。

来客を招きやすい間取りとも考えられ、気心の知れた友人知人や、いわゆるママ友がよく遊びに来るご家庭では是非ご検討いただきたいレイアウトの一つです。

18.0坪の1階床面積の中で、水まわりを北東方向に一箇所に集中させ、無駄な面積を極力無くし居間食堂の広さは23帖を確保、5家族ほど集まってのお食事会でも狭さを感じることもないだろう。

3〜4組のママ友仲間が遊びに来ても、お母様がテーブルでお茶会をしながら、目線が届く場所で子ども達が自由に遊べるでしょうし、子ども達には危険が潜む台所へも、知らない間に子供達が入り込んでしまうのではと余計な心配をする必要もないレイアウトです。

広めの空間を自由に使って楽しむには、なるべくソファーなど置かずに暮らす。ボール遊びや、おっきな紙でお絵描きや鉄道模型を広げたり、そうそう、お母様達が一緒にヨガやエクセサイズを楽しむのもいいですね。

ソファーを置くと、どうしても空間の使い方が固定されてしまい、ひろびろと使いにくい居室になってしまいます。お好みの生活スタイルにもよりますが、床座より椅子座が好みで、ソファーやベンチを置きたいと希望されるようでしたら、北西角の落ち着いた位置にベンチを設ける場所を用意してある。


最小限に必要なものだけを置き、ライフスタイルを楽しむ暮らしができる家。そして多くの友人知人が気楽に訪ねてくる住まいです。

2階平面図


西入り玄関 N-03「メリハリのある暮らし」

概要
床面積 |1階・20.5坪 2階・18.0坪
延床面積| 38.5坪
玄関方向|西入り玄関 No.N-03

コンセプト「メリハリのある暮らしをしたい」
主な特徴
|動線計画|暮らしと趣味を楽しむ|夫婦の生活と暮らし|

活動的な空間とくつろぎの空間を分け独立させた間取りです。


1階平面図

活動的な空間は階段室を中心として台所ー洗面ー家事室と回遊できる動線を設けています。
洗面脱衣室は通路の一部としても利用しており抵抗を感じる方もいるかもしれないが、日々忙しく働き家事への負担と時間を短縮したい方々には、一つの解決策としてご家族と検討いただきたい間取りだ。

この間取りでは、バステラスは物干し場としても使用することを優先的に考えた間取りであるため、洗面脱衣室を動線上に配置している。ただ、この動線上の洗面脱衣室が、ご家庭の暮らし方に合わないようであれば、トイレと浴室の間に脱衣室を配置すれば着替えの問題を簡単に解決することができる。

在来軸組木構造では柱間の距離(スパン)は2間(3,636mm)以下で空間構成することが基本であり、この居間には柱を入れているが、この基本を超えた広さを計画している。このように広い空間を構成するには事前に建物全体の構造計画と1,2階のレイアウトを十分に考えておかなければならない。

この間取りでは、1階の壁と2階の耐力壁の位置を揃え構造的な耐力を確保している。

日々忙しいけれども家事はささっと短時間で行い、余暇の時間を大切に暮らしたいと願う方には、このように活動的な空間と静かで落ち着く空間に分けた間取りが忙しい1日の中でも、メリハリをつけた生活をしやすい間取りといえるのではないでしょうか。

バステラスは、週末や休日には露天風呂の雰囲気を味わえるお風呂に浸かり、湯上りにはシャキッと冷えた麦酒を楽しむ。暑い夏には小さなテーブルを囲みティータイムの場所としても、このバステラスはただ楽しむだけでなく、冬には建具を占めて物干し場としても使います。

もちろんこのように東西南北に空間が広がる部屋は風通しが良く、ひろびろとした居間にはグランドピアノを置いても余裕がある。友人知人を招いたホームパーティーやホームコンサートも十分に楽しめます。

2階平面図
2階の間取りは主寝室のプライバシーを高め就寝時に子供達の様子を見ながら部屋に入れるようにしています。また、子供室を一部屋で使うと階段を中心とした回遊式の動線が生まれ、2階をひろびろと使える間取りとしている。


間取りには様々な可能性がり、ご自身の暮らしをより楽しみ豊かに暮らす工夫をより多く詰め込んでいただきたい。この間取り案も新しいアイデアを生み出すヒントとして役立てていただければ、と願っている。

西入り玄関 N-01「親子3人が豊かに暮らす30坪の家」

概要
床面積 |1階・21.00坪 2階・9.75坪(吹抜け2.25坪)
延床面積| 30.75坪
玄関方向|西入り玄関 No.N-01

コンセプト「親子3人が豊かに暮らす30坪の家」

主な特徴
|土間がある家|動線計画|暮らしと趣味を楽しむ|自然の近くに暮らす

1階平面図


30坪ほどの家に和室と吹抜けを設け、家庭菜園も楽しみひろびろと暮らす住まいを考えている。

広い土間は和室につながり庭と一体化する。
家庭菜園で採れた新鮮な野菜をキッチンに持って行く前にこの土間で下処理や、知人へお裾分けするための仕分けるばかりではなく、趣味を楽しむ場所としては最高である。

例えば、趣味の「蕎麦打ち」で、蕎麦粉が飛び散っても楽に水拭きが出来る「油絵」「陶芸」で床を汚しても気になりません。

夏休みや休日は、子どもと一緒に日曜大工や工作室としても活躍、土間は暮らしや趣味に合わせて自由な使い方ができる装置と考えても良い。冬には和室や居間に腰掛け、薪ストーブの炎を眺めながら静かに時を過ごすのも贅沢な時間ではないだろうか。

単一的になりがちな室内に豊かな表情をもたらせる試みと、小さな家であっても、暮らしに変化をもたらせた豊かな暮らしを実現する住まいのあり方を提案する間取りだ。

この間取りで気になるところは家事動線の長さだ。しかし豊かな暮らしを楽しむことは家事動線の長さではない。戸建て住宅であれば洗濯する時間を気にする必要もない、夜、風呂上りに洗濯機を回しても構わない。
それよりも乾いた衣類を何処でたたむか、仕分けるかを考えた方が良い。この間取りでは和室が役に立つでしょう。

玄関近くにある和室は、不意に友人知人が遊びに来ても、この和室にお通しすればキッチンが多少散乱していても気になりませんし、トイレも近い、土間に製作途中の作品でもあれば話題に花を咲かせる。


ただ、家に帰り食事をして寝るだけの住まいはつまらない。その時々に空間を楽しみ、趣味を楽しむ豊かな暮らしをできる家づくりを考えてはいかがだろうか。

2階平面図

2016年7月28日木曜日

南入り玄関の家 No.E04

概要
床面積 |1階・18.50坪 2階・12.00坪
延床面積| 30.5坪
玄関方向|南入玄関 No.E04
主な特徴
|小さな家|将来に備える家|景色の中に暮らす|暮らしと趣味を楽しむ家

コンセプト「暮らしに合わせて自在に変化する家」

生涯資金と建築費|

将来のライフスタイルに合わせて改装すること前提に計画する間取りがあっても良いと思う。

住宅ローン返済のために夫婦二人ともが家族を犠牲にする勤務より、どちらか一方は暮らしを楽しむために、気に入った仕事があれば生活が許す程度の仕事をして暮らしたい・・・。

1階平面図 No.1

小さな家を建て、生活費に負担をかけたくない。また無理な住宅ローンも組みたくない。住まいは小さくても豊かな暮らしができるはず。マンションと思えば100㎡の面積はかなり広め、マンションで上下左右の部屋に気をつかいながら暮らすなら、地面の上で自由に暮らしたい。新築時に多額の費用を使うより、お気に入りの住まいに手を掛けながら、長く愛着を持ち、その時々のライフスタイルに合わせて改装しながら暮らす家を考えたい。それは何十年後に建て替えするよりも絶対に資金の負担は少ないと思う。

だから30坪程度の小さな家を建て簡単な内装工事だけで済ませ、生活費には負担をかけず、その時々に気持ちよく暮らしができる住宅を計画した。


明日に向けて|
30坪ほどのコンパクトな住宅を無駄なく改装することが前提ですから、よりシンプルで汎用性が高い構造と間取りが求められます。重要なことは、基礎や構造、外壁、屋根などの主要構造体に手を加えることなく改装をできるように、計画当初からその時々の間取りも念入りに検討して、基礎や窓の位置を決めている。
1階平面図 No.2


土間のこだわり|
子供の成長には、子供の目線から見える変化や違いなどの刺激が欠かせないといいます。いつも同じ室内環境で暮らすより季節の変化や飛び回る蝶々、風にそよぐ草花などが子供たちは何かの刺激を与え、興味を抱き自分の手で確かめようとする行動に移す。この一連の活動が子供達の成長にとても良い・・・、それを住宅で生かすには土間が必要だと考えた。

自然は、その時々の変化に溢れています。土間は屋外と屋内をつなぎ、感性豊かな子供に育てる「架け橋」となるでしょう。少し成長すればここで工作や粘土遊び、夏にはプールを持ち出してくるかもしれません。子供の想像力を膨らますには必要な空間だと思います。また冬には物干し場としても大活躍します。将来は薪ストーブを置き、揺れる炎を見ながらのんびりと冬の長い夜を楽しみたいですね。

動線計画|

動線は生活そのものです。短ければ良いとか長いから悪い、という考えもありますが動線は家族との接点ともいえます。ときには動線が長くても、もっと優先される生活もあります。一つの行動だけを考えるより、生活全体で考える動線計画をしています。

台所からの家事動線が長いですね。この家は将来、改装工事をします。子供が小さい時には自由に歩き回っても安全な広い空間を求めました。テーブルも当初は部屋の真ん中に簡素な折りたたみの座卓でもいいのではないでしょうか。

それに簡単に片付けられる家具は、お掃除の時も楽です。

1階平面図 No.3

少し成長すれば、朝日が差し込む食卓で毎朝しっかりと朝食をいただきたいものです。台所が水まわりに近くなりますが、台所と水まわりが近くなっても、洗濯物を干して取り込み、たたんで仕分けることを考えると、台所がどちらにあっても動線の長さに変化はありません。

家事労働は大変です。浴室をサンルームへ移動して、脱衣室を広げここで物干しができるように改装します。もちろん新築時に、この間取理で着工しても良いのです。

1階平面図 No.4
洗濯してその場で干す、これ以上短かな動線はありません。子供たちにも自分の洗濯物は自分で洗うことが我が家のルールになりつつあります。子供が独立すると、いよいよ夫婦二人の住まい。回遊性のあるワンルームの住まいは室内の気温差も少なく、動きやすいです。もし車椅子が必要になっても平気です。


コストダウンを考えた上下階レイアウト|
家の中で最も無駄な空間は2階の廊下だと思います。そこで2階の廊下は最小限になるように主寝室と子供部屋2室を配置しました。それでも、1階から2階の子供部屋へ声を掛けやすいように小さな吹き抜けを設けてあります。
2階平面図
2階は構造に負担をかけないように玄関とLDK部分が総2階建ての構造にしてあります。土間と水まわりは下屋として総2階の建物に附属させた基本構造で、コストダウンを図っています。

2016年7月18日月曜日

南入土地・W-02「侘び・寂」の時を味わい非日常空間を楽しむ

概要|
床面積 |1階・19.875坪 2階・14.00坪
延床面積| 33.875坪
玄関方向|南入り玄関 No.W-02

コンセプト|「侘び・寂」の時を味わい非日常空間を楽しむ
特徴
|非日常を楽しむ|来客|自然の中に暮らす

人生を豊かに暮らす住まいを計画したい、とお望みの方には参考にしていただきたい「友人知人を招き非日常を楽しむ住まい」です。
1階平面図

茶席空間|

この茶室は「四畳半大目畳本勝手上座床大目切り※」です。普段使いの「躙口(にじりぐち)」と高貴な客を迎える「貴人口(きじんぐち)」亭主の通る「茶道口(さどうぐち)」懐石の時に使用する「給仕口(きゅうじぐち)」と茶席に使われる各口に加え、庭を楽しむ「露地(ろじ)」「腰掛(こしかけ)」を備えたお茶室を住宅に設える計画をしました。

住宅を茶席に見立て非日常を存分楽しむ設えは、寄付(待合)席に居間を使い、デッキを通りお茶席に進んでいただきます。寄席からデッキに進んだ時から、住宅の気配を消しお茶席の空間となるように考えています。
特に水まわりは生活感あふれる空間であるため、お茶席から距離をもたせてあります、また建具もその時々に合わせて開閉させることにより非日常空間を演出できるように計画しています。

喜びと充実感を感じる住まい

趣味を同じくする友人知人と同じ時を過ごす。次世代の方々に何かを伝える。人々と触れ合う時間は何事にも代え難い喜びと充実感を人生にもたらせるのではないでしょうか。この住まいは、一戸建ての住宅に「お茶席」という非日常空間と時間の創造を一般的な住宅規模で「招き楽しむ非日常の家」をテーマに実現させる間取りを試みた。

自宅でお茶席を開くといえば、お庭の手入れも日々欠かすことができません。これらも暮らしの中では楽しみの一つです、庭から直接出入りできる洗面やお風呂は、庭の手入れをした後でも、直接脱衣室へいけるようにしています。

目に見えない住宅の性能

住宅はただ、家事動線が短いとか断熱性能が良いとか機能面ばかりを考えがちです。でも、それは単に数値として他社と比較しやすく、差別化を図ることに使われ過ぎているようにも思えません。
家事動線が短いことが良い住宅、機能的な住宅が良い住宅だと考えがちですが、人生を豊かに暮らす住宅という心に満足を得る住まいも大切ではないでしょうか。それは機能性のように単純に数値として比較できるものではありませんが、住宅の専門家とじっくり話し合うことで十分に実現できる家づくりです。

2階平面図

2階はシンプルに簡素にしたのは、お茶室に予算を取られそうなので、予算調整目的であることは明白ですね。


※)四畳半大目畳本勝手上座床大目切り

「四畳半大目(よじょうはんだいめ)」は部屋の大きさで、四畳半に大目畳(大目畳は一畳の3/4の大きさ)の畳が加わった茶室の広さです。「本勝手」は主人の右側に客席があることで「上座床」は主人の前に「床」があり、炉が大目畳の脇に切ってあることを「大目切り」と言います。言葉の順番としては「広さ」「亭主から見た客席の位置」「床の位置」「炉の位置」を示し、文字だけでお茶室の様子を知ることができるようになっています。

南入土地・W-01「庭に囲まれた家で心豊かに暮らす小さな家」

概要
床面積 |1階・17.5坪 2階・11.5坪
延床面積| 29.0坪
玄関方向|南入り玄関 No.W-01

コンセプト「庭に囲まれた家で心豊かに暮らす小さな家」
特徴
|小さな家|料理を楽しむ|自然の中に暮らす|

小さな家でも心の豊かさを求めたい。
1階平面図

どのような住宅を希望するか、家族それぞれによって違います。家事動線が短く機能的な住まい、高気密高断熱を追求して小さな窓で自然から隔離されたような家(私にはそう感じます)それも良いと思いますが、この家は住宅の性能より緑に囲まれた日々の生活や心身の豊かさを求める住まいです。

間取りレイアウトは見た通りいたってシンプルな配置です。ワンルームで計画された台所・食堂は朝日が差し込み、居間は一日中明るく南北の心地よい風が通り抜ける。まさに庭・自然と共に暮らす住まいといえるでしょう。階段下は居間から利用できる収納にしています。階段下の空間は意外と広く収納には、お薦めの場所です。
1階平面図 No.2

注意したいキッチンレイアウト
このような間取りでは、No2のようにキッチンを壁に接することも多いようですが、壁からキッチンを離しアイランドキッチンとする方が動きやすく窓位置も自由になります。ほんの些細なことですが実際に生活が始まると大きな差になるので間取りを決定するには決して気が抜けません。

上下階レイアウト
11.5坪の2階に4.5帖の子供室を2室、主寝室は6帖の和室に3帖の納戸を附属させ階段室を中心に左右へ配置しました。


2階を建物西側にレイアウトしてあるのは、1階の居間奥まで、朝日を差し込ませようと食堂・台所の天井を高くして欄間を設けるためです。住宅は立体的に考えることにより、空間はより豊かに広がり、豊かな暮らしを演出するようになるでしょう。

南道路の間取り・C-04「南北に抜ける家」

概要
床面積 |1階・18.0坪 2階・17.0坪
延床面積| 35.0坪
玄関方向|南入り玄関 No.C-04

コンセプト「南北に抜ける家」
主な特徴
動線計画|自然の中で暮らす|子育て世代|暮らしと趣味を楽しむ|

住宅の北側にはトイレや洗面、浴室などの水まわりを配置したくなるようだ。しかし北側だからといって、そんなに毛嫌いする必要もないだろう。

北側の採光は安定しているし、南北に心地よく風が通り抜ける方が健康的であると思う。
1階平面図

北側のデッキや庭は湿気によるカビの発生や、木材が腐りやすいといわれる。また、デッキを作っても夏場は虫に刺されてしまうから昼間しか楽しめない欠点もある。

積極的に通風や採光、景色など自然と親しみ、無駄なエネルギーを使わない暮らしを考えている。建物の平面形は凹凸があると風を受け室内に入る風の量が多くなる。台所と食堂には朝日が差し込み、中央の居間が南北の庭と水まわりをつなぐレイアウトとしている。対角線上に広がる食堂と居間の配置は空間の広がりを生み、南北に取り付けたデッキが、その広がり効果を高めます。

一戸建て住宅だからこそ縁側空間を楽しみたい
多くの方は北側デッキには良い印象を持っていないでしょう。しかし、伝統的に国内で北側のデッキはなかったのかといえば、決してそのようなことはありません、建物の北側も重宝に利用されてきました。
京町家でいえば裏庭、武家屋敷でいえば土縁として多くの建物に設けられています。高温多湿の季節に先人は、この室内でも室外でもない曖昧な北側空間を巧みに利用していたようであり、要するに利用の方法と建物の工夫次第で如何様にも利用できるということです。

住宅はどんな場所でも、日常的に使わなければ痛みます。日頃から使いやすくしておくこと。特に北側のデッキは雨に濡らさないこと、風通しを良くしておくことが大切です。

屋根を付け風通しを良くした間取りを考え、日常の暮らしで積極的に活用することが北側の空間も楽しみ、敷地の特性を生かし敷地全体を使い切ることにつながります。

それならば室内にしたほうが良いのでは?という意見もあるでしょう。しかし室内にしないで楽しむ理由は2つ、伝統の屋内外をつなぐ曖昧な空間を楽しむ事、そしてそれをローコストで実現する事です。

北側デッキは屋根などを設置して雨を防ぎ、南北通風を良くします。できればこの間取りのように部屋の一部であるような空間構成がお勧めです。また日常的に、この場所を利用できる台所から食品庫、水まわりへと通り抜ける動線を設けた上に、虫の侵入を防ぐための網戸も入るようにします。さらに極寒期には網戸の代わりにガラス戸を入れれば、室内の保温効果も期待できるでしょう。

冬には南側のデッキ、夏には涼しい北側のデッキを楽しむ。縁側は外を中に見立て、中を外に見立て暮らしに豊かな空間をもたらせ、室内空間の広がりを感じさせてくれるかけがえのない空間です。一戸建て住宅を計画するなら、この曖昧な空間を楽しまないのはとても残念だと思いませんか?

土地の上に建てる一戸建て住宅だからこそ味わえる空間であることに間違いありません。

2階平面図
2階


3室を南面に配置し、子供室の北側に独立したスタディーコーナーを設けました。ホールの一部に机を置きスタディーコーナーとする間取りもありますが、このように仕切ることで独立した個室を設けることで、北側から採光を得る落ち着いた勉強部屋とすることができる。

南道路の間取り・C-03「家族が一緒に心地よい距離感の中で暮らす」

概要
床面積 |1階・20.0坪 2階・15.0坪
延床面積| 35.0坪
玄関方向|南入り玄関 No.C-03

コンセプト「家族が一緒に心地よい距離感の中で暮らす」
特徴
|子育て世代|夫婦生活|家事動線|

居間と台所を柔らかく分けた空間を造り出すために玄関を中央に配置しています。このような配置にすることにより、家族が集う居間・食堂は一つの部屋でも雰囲気の異なった空間を創り出します。
1階平面図
スタディーコーナーは台所の横に配置して、家事スペースとしても使い、居間と少し距離をおいたこの場所は家族が居間でくつろいでいるときにでも、その雰囲気を感じつつ勉強や作業に集中できるように適度の距離感をもたらせて個々に好きなことができる空間が生まれるように計画されています。

この間取りのように南側に居間食堂、北側に水まわりを配置するレイアウトは間取りの基本で、よく見かける。ただ単純に南北に配置したレイアウトでは南北通風が悪く、強い日が差し込むと明暗の差が強くなり、部屋に落ち着きがなくなる場合があります。

それを避け、通風と部屋の広がりを十分に得るために、この間取りでは、北側にデッキや3帖の畳コーナーを設けて北側に開口部をとり、北側からの採光と通風が得られるようにしています。

さらに建物の四方が見通せる居間・食堂は、もちろん部屋を広く見せる目的ですが、もし敷地内に不審者が侵入しても建物四方の様子を室内から察知することができるため、防犯上にも非常に有効です。

2階平面図 No.1

2階|


2階はLDK上に2階を配置してます。1階階段近くにトイレを配していますので、2階No.1の間取りではトイレは設けていませんが、2階トイレをご希望されるようでしたら2階No2の間取りや、子供室は寝るだけの部屋と割り切ったNo3の間取りを参考にしてください。
2階平面図 No.2
2階平面図 No3


2016年7月17日日曜日

北側道路の間取りC-04「季節を味わう住まい」

概要
床面積 |1階・21.00坪 2階・16.25坪(吹抜け3.75坪)
延床面積|36.25坪
玄関方向|北入り玄関 No.C-04

コンセプト「季節を味わう住まい」
主な特徴
|土間がある家|暮らしと趣味を楽しむ|自然の近くに暮らす|子育て世代|

レイアウト
矩形の平面形の西側、水まわりゾーンを南方向にスライドさせ和室西側に坪庭を設けています。このような空地は、ただ観賞用だけでなく採光や風通しにも非常に有効に働きます。

1階平面図

北側空間を楽しむ

和室でなくとも北側に居室を設けることで、一階の南北通風が良くなり、明るく活動的な雰囲気とともに静かで落ち着きのある空間を求める方には、この北側の空間がお勧めです。

このレイアウトのように玄関土間からも入れる居室は、少し広めの建具を開け広々とした玄関を演出したり、不意の来客時にでも居間を慌てて片付ける必要もなく、来客を招き入れることができる上に、この空間の利用方法は暮らしの中で様々に展開するでしょう。

もし、泊まる方がいらしても水まわりが近く重宝し、普段は建具をいっぱい開けて居間の一部として利用できることは言うまでもありません。

吹抜けに設けた階段下は土間にしてあり床高を一段下げ、テラスからも出入りできるようにして薪ストーブを置いています。外から持ち込む薪のストックはこの階段下です。

ひろびろ空間を創り出す

対角線上に視線が抜けるこのレイアウトは、小さな家でも建物を広く感じさせ吹抜け階段との相乗効果で家全体を広々とした空間を実現するとともに、2階の子供部屋を吹抜けに面して計画していますので、家族がどこにいても、お互いに声を掛け合え自然に触れあいが生まれる住まいとなる。

浴室とバステラス

浴室はテラスの中に浴室がある、というイメージで1.5坪の浴室にはシャワーブースを別途設けています。たまには、ゆっくりと外の景色を眺めながら湯船に浸かりたいはないですか?

夏には裸のまま、とはいきませんがバスローブでも羽織って夕涼みがてら湯上りのビールを、テラスで楽しみたいではありませんか。このテラスにビニールプールを出して遊ぶ子供達の笑顔も見たくはないですか。もちろん子供達がプールで遊んだ後は濡れた体のままお風呂に直行です。そうそう、テラスに洗濯物を干す時にもここを通れば良いのです。

冬には薪ストーブの炎を楽しみ夏にはテラスで季節を味わう住まいです。


2階平面図

2階

活動的な1階の間取りと比べ、2階の子供室は静かで落ち着きのある北側に配置してあります。家の中での遊びは思いっきり1階で家族とともに楽しみ、個室は落ち着いて安眠できるように計画しています。一軒の住宅でも、このようなメリハリのある空間を計画することも忘れてはなりません。




子供室南側の手すりを本棚にすればかなりの種能力が期待できますので、多くの蔵書をお持ちの方は、このような場所も有効に利用したいものです。