2016年7月18日月曜日

南道路の間取り・C-04「南北に抜ける家」

概要
床面積 |1階・18.0坪 2階・17.0坪
延床面積| 35.0坪
玄関方向|南入り玄関 No.C-04

コンセプト「南北に抜ける家」
主な特徴
動線計画|自然の中で暮らす|子育て世代|暮らしと趣味を楽しむ|

住宅の北側にはトイレや洗面、浴室などの水まわりを配置したくなるようだ。しかし北側だからといって、そんなに毛嫌いする必要もないだろう。

北側の採光は安定しているし、南北に心地よく風が通り抜ける方が健康的であると思う。
1階平面図

北側のデッキや庭は湿気によるカビの発生や、木材が腐りやすいといわれる。また、デッキを作っても夏場は虫に刺されてしまうから昼間しか楽しめない欠点もある。

積極的に通風や採光、景色など自然と親しみ、無駄なエネルギーを使わない暮らしを考えている。建物の平面形は凹凸があると風を受け室内に入る風の量が多くなる。台所と食堂には朝日が差し込み、中央の居間が南北の庭と水まわりをつなぐレイアウトとしている。対角線上に広がる食堂と居間の配置は空間の広がりを生み、南北に取り付けたデッキが、その広がり効果を高めます。

一戸建て住宅だからこそ縁側空間を楽しみたい
多くの方は北側デッキには良い印象を持っていないでしょう。しかし、伝統的に国内で北側のデッキはなかったのかといえば、決してそのようなことはありません、建物の北側も重宝に利用されてきました。
京町家でいえば裏庭、武家屋敷でいえば土縁として多くの建物に設けられています。高温多湿の季節に先人は、この室内でも室外でもない曖昧な北側空間を巧みに利用していたようであり、要するに利用の方法と建物の工夫次第で如何様にも利用できるということです。

住宅はどんな場所でも、日常的に使わなければ痛みます。日頃から使いやすくしておくこと。特に北側のデッキは雨に濡らさないこと、風通しを良くしておくことが大切です。

屋根を付け風通しを良くした間取りを考え、日常の暮らしで積極的に活用することが北側の空間も楽しみ、敷地の特性を生かし敷地全体を使い切ることにつながります。

それならば室内にしたほうが良いのでは?という意見もあるでしょう。しかし室内にしないで楽しむ理由は2つ、伝統の屋内外をつなぐ曖昧な空間を楽しむ事、そしてそれをローコストで実現する事です。

北側デッキは屋根などを設置して雨を防ぎ、南北通風を良くします。できればこの間取りのように部屋の一部であるような空間構成がお勧めです。また日常的に、この場所を利用できる台所から食品庫、水まわりへと通り抜ける動線を設けた上に、虫の侵入を防ぐための網戸も入るようにします。さらに極寒期には網戸の代わりにガラス戸を入れれば、室内の保温効果も期待できるでしょう。

冬には南側のデッキ、夏には涼しい北側のデッキを楽しむ。縁側は外を中に見立て、中を外に見立て暮らしに豊かな空間をもたらせ、室内空間の広がりを感じさせてくれるかけがえのない空間です。一戸建て住宅を計画するなら、この曖昧な空間を楽しまないのはとても残念だと思いませんか?

土地の上に建てる一戸建て住宅だからこそ味わえる空間であることに間違いありません。

2階平面図
2階


3室を南面に配置し、子供室の北側に独立したスタディーコーナーを設けました。ホールの一部に机を置きスタディーコーナーとする間取りもありますが、このように仕切ることで独立した個室を設けることで、北側から採光を得る落ち着いた勉強部屋とすることができる。

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