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2016年8月4日木曜日

西入土地・S-02「将来に備えた住まい」

概要
床面積 |1階・20.6坪 2階・15.25坪
延床面積| 35.85坪
玄関方向|西入り玄関 No.S-02

コンセプト「将来に備えた住まい」
主な特徴
|暮らしと趣味を楽しむ|将来に備える|

「住まいは暮らしをかたちにすること」です。間取りを考える時、現在の暮らしを見直し間取りに生かすことは、とても大切なことに間違いない。

しかしそれだけでは不十分。将来のライフスタイルも想像して間取りに反映したい。さらには危機管理といえば大袈裟かもしれないが防災対策も施しておきたい。

1階平面図
建物本体の耐震性能は大きな災害が発生する度に建築基準法の改定が行われ、耐震性能が向上し、防火性能も同法律で制限されている。地域の危険性や罹災時の備えに関しても行政から多くの情報が発信されている。

しかし、間取りに関しては自らが考えなければならない大きな問題である。

間取りに関わる災(わざわい)とは、やはり身体に関わる問題であろう。病気や怪我、事故または年齢による身体能力の低下で、間取りが合わなくなる、または制限が生じて暮らしにくくなることも考えられる。

その時になって自宅を大改装する必要性が発生すれば、家計にも大きな出費を強いられ、無理な改装は家族の暮らし方にも大きな変化を強いるかもしれない。少しの工夫で事前に備えておくことで、ほぼ出費の必要なく、家族の暮らし方にも大きな影響を及ぼすこともなく快適に暮らせる。

将来の「もしかして」に備えた間取りを考えておきたい。

一番の大きな問題は寝室、計画当初から1階に寝室を設けておけば問題はないが、階上であれば上がれなくなり1階に寝室が必要となる。この間取りでは和室を寝室として利用できるようにしている。

よほどの重症に陥ってしまったり、さらに車椅子を必要となってしまった場合には水まわりが近い方が良いであろう。

その時に備え新築当初は押入れの一つとして使う場所を水まわりと直結させる。この時は押入れの裏面はパネルにしておき必要になれば、そのパネルを取り払えば良い。体の状態に合わせ、ここに便器を移設しても良いし、そのまま出入り口と利用しても良いだろう。

体調が思わしくなく、居間と離れ個室化した寝室にただ一人でいることは精神的な苦痛を与え、身体とともに精神的にも病んでしまわないように家族とのふれあいは大切である。寝室として使う場合でも家族の集まる空間と一体感を持たせ、いつでも会話できるようにしておきたい。たとえ子供が2階にいる時でも声が届くように吹き抜けがあると安心できるだろう。


今回「和室」と間取り図には表記しましたが、この部屋はもちろん広々とした居間として計画しても良いと思います。日々体調に気遣って暮らしていても、やがて身体能力の低下や、障害を受けた時でもどのような状態になったとしても、自宅では心地よく暮らしたいと願うのは当然です。そのためにも間取りを考える時には、もしも、万が一にもと、たとえ考えたくないことでも、頭の隅に置いておくべきではないだろうか。
2階平面図


2016年7月28日木曜日

南入り玄関の家 No.E04

概要
床面積 |1階・18.50坪 2階・12.00坪
延床面積| 30.5坪
玄関方向|南入玄関 No.E04
主な特徴
|小さな家|将来に備える家|景色の中に暮らす|暮らしと趣味を楽しむ家

コンセプト「暮らしに合わせて自在に変化する家」

生涯資金と建築費|

将来のライフスタイルに合わせて改装すること前提に計画する間取りがあっても良いと思う。

住宅ローン返済のために夫婦二人ともが家族を犠牲にする勤務より、どちらか一方は暮らしを楽しむために、気に入った仕事があれば生活が許す程度の仕事をして暮らしたい・・・。

1階平面図 No.1

小さな家を建て、生活費に負担をかけたくない。また無理な住宅ローンも組みたくない。住まいは小さくても豊かな暮らしができるはず。マンションと思えば100㎡の面積はかなり広め、マンションで上下左右の部屋に気をつかいながら暮らすなら、地面の上で自由に暮らしたい。新築時に多額の費用を使うより、お気に入りの住まいに手を掛けながら、長く愛着を持ち、その時々のライフスタイルに合わせて改装しながら暮らす家を考えたい。それは何十年後に建て替えするよりも絶対に資金の負担は少ないと思う。

だから30坪程度の小さな家を建て簡単な内装工事だけで済ませ、生活費には負担をかけず、その時々に気持ちよく暮らしができる住宅を計画した。


明日に向けて|
30坪ほどのコンパクトな住宅を無駄なく改装することが前提ですから、よりシンプルで汎用性が高い構造と間取りが求められます。重要なことは、基礎や構造、外壁、屋根などの主要構造体に手を加えることなく改装をできるように、計画当初からその時々の間取りも念入りに検討して、基礎や窓の位置を決めている。
1階平面図 No.2


土間のこだわり|
子供の成長には、子供の目線から見える変化や違いなどの刺激が欠かせないといいます。いつも同じ室内環境で暮らすより季節の変化や飛び回る蝶々、風にそよぐ草花などが子供たちは何かの刺激を与え、興味を抱き自分の手で確かめようとする行動に移す。この一連の活動が子供達の成長にとても良い・・・、それを住宅で生かすには土間が必要だと考えた。

自然は、その時々の変化に溢れています。土間は屋外と屋内をつなぎ、感性豊かな子供に育てる「架け橋」となるでしょう。少し成長すればここで工作や粘土遊び、夏にはプールを持ち出してくるかもしれません。子供の想像力を膨らますには必要な空間だと思います。また冬には物干し場としても大活躍します。将来は薪ストーブを置き、揺れる炎を見ながらのんびりと冬の長い夜を楽しみたいですね。

動線計画|

動線は生活そのものです。短ければ良いとか長いから悪い、という考えもありますが動線は家族との接点ともいえます。ときには動線が長くても、もっと優先される生活もあります。一つの行動だけを考えるより、生活全体で考える動線計画をしています。

台所からの家事動線が長いですね。この家は将来、改装工事をします。子供が小さい時には自由に歩き回っても安全な広い空間を求めました。テーブルも当初は部屋の真ん中に簡素な折りたたみの座卓でもいいのではないでしょうか。

それに簡単に片付けられる家具は、お掃除の時も楽です。

1階平面図 No.3

少し成長すれば、朝日が差し込む食卓で毎朝しっかりと朝食をいただきたいものです。台所が水まわりに近くなりますが、台所と水まわりが近くなっても、洗濯物を干して取り込み、たたんで仕分けることを考えると、台所がどちらにあっても動線の長さに変化はありません。

家事労働は大変です。浴室をサンルームへ移動して、脱衣室を広げここで物干しができるように改装します。もちろん新築時に、この間取理で着工しても良いのです。

1階平面図 No.4
洗濯してその場で干す、これ以上短かな動線はありません。子供たちにも自分の洗濯物は自分で洗うことが我が家のルールになりつつあります。子供が独立すると、いよいよ夫婦二人の住まい。回遊性のあるワンルームの住まいは室内の気温差も少なく、動きやすいです。もし車椅子が必要になっても平気です。


コストダウンを考えた上下階レイアウト|
家の中で最も無駄な空間は2階の廊下だと思います。そこで2階の廊下は最小限になるように主寝室と子供部屋2室を配置しました。それでも、1階から2階の子供部屋へ声を掛けやすいように小さな吹き抜けを設けてあります。
2階平面図
2階は構造に負担をかけないように玄関とLDK部分が総2階建ての構造にしてあります。土間と水まわりは下屋として総2階の建物に附属させた基本構造で、コストダウンを図っています。

2016年7月17日日曜日

北向き土地間取りE-02「人・自然・将来とつなげたい」

概要|
床面積|1階・21.0坪 2階・13.75坪 吹抜け・3.0坪 
延床面積|34.75坪(吹抜け3.0坪別)
玄関方向|北入り玄関 No.E-02

コンセプト「人・自然・将来とつなげたい」
主な特徴
自然に近い家|将来に備える|来客|

風除室として機能する玄関と土間は建具で仕切られ、北側に薪ストーブを置く予定にしている。土間の南側に居間、西側に和室を配置することにより、家族が集う空間から薪ストーブの炎が見えることと土間で作業をしていても、その様子がうかがえて家族共通の会話や話題を増やすことにつなげようと計画している。
1階平面図
また趣味を同じくする友人知人が訪ねてきた時にも、土間を囲み腰掛けて話をしたり、子ども達が自然と会話の中に入る機会が増えることは、子どもの人間形成にも役立つ場にもなるだろう。

薪ストーブの位置は台所から少し離れているが、和室や居間からは近く、皆でピザでも焼いて楽しみたい。この住まいには小型のクッキングストーブ、オーストラリア製の「ピキャンオーブン」が最適だろう。

ついつい話が弾み来客がそのまま泊まりやすくするために、和室からは直接トイレへ行け脱衣室と洗面所は別室としている。

浴室を含めた水まわりは湿気対策、カビの発生を予防するため南側にしている、脱衣室の建具は使用時以外、開け放っておけば風通しも良く清潔な状態に保ちやすいので、少しでも掃除の時間を短縮したいと希望される方にはオススメのレイアウトといえる。
2階平面図
2階
煙突部分を吹抜けにして家全体に暖かな空気を流す計画だが、子ども達が成長して彼らが友人を連れてくる年齢になると、1階の話し声が主寝室にも聞こえてきて安眠できないかもしれないので、収納を前室にして音の軽減を図っている。その時期が来なくとも主寝室にある程度のプライバシーが必要なのは周知の事実だが・・・こんな配慮も設計家には欠かせない。


住まいは家族の安息の地であるとともに、子供達にとっては自宅で大人との繋がりが増えることで、人間形成の機会が増えることを期待したい。

北入り玄関 W-02「暮らしに合わせた間取りを考えたい」

概要
床面積 |1階・20.0坪 2階・15.0坪
延床面積| 35.0坪 車庫5.25坪
玄関方向|北入り玄関 No.W-02

コンセプト「暮らしに合わせた間取りを考えたい」
主な特徴
動線計画|ガレージ|子育て世代|将来に備える|

西側に駐車場や車庫を設けると東側空地が狭くなりますが、住宅が建てこみ東側の日差しが期待できない敷地であれば、西側に車庫を配置して東側の採光を住まいに取り込む、このようなレイアウトの間取りも検討すべき。

1階平面図 No.1

この間取りのように独立性が高い和室は、落ち着いた雰囲気になります。それは子育ての和室というより、精神的なゆとりや、落ち着きのある雰囲気を求める空間で、来客時の応接室としての機能を希望するご家族向きでしょう。

さらに広めのウッドデッキ(濡れ縁)を設ければ、そこに回遊性の動線が生まれ、居間と和室のつながりが強く感じられ、晴れの日などは子供たちが走り回る様子が思い浮かびます。

ウッドデッキ一つでも部屋の雰囲気や使い勝手が、ガラッと変わるところは、間取りの怖さでもあり、いろいろな方向性から考える必要を痛感する。

将来に備え計画する

このように独立性の高い部屋が一部屋1階にあれば、もし万が一にも2階の寝室へ上がれなくなる体調不良に見舞われたとしても、大きな改装をすることなく、この和室を寝室として利用することも可能になる。
もっと積極的に将来の体調も見越した計画をするのであれば、トイレと洗面の間は壁でなく簡単に取り外せる建具で仕切り、水まわりを一部屋として利用できるようにしておくと、車椅子でも楽に動き回れる計画となる。

+αを住まいに求める

気持ちよく暮らす住宅、動きやすい住まいに加えて、人生を豊かに趣味を楽しむ暮らす。もっと多くのことを間取りに求めたい。

この間取りで車庫と和室の関係を例にしてみる。No.1のように両室を接することで、いつでも室内から愛車を眺めることができるようになる。また、施錠方法を工夫すれば、室内からでも車に乗ることも可能になる、これは子供や体調不良の方がいるご家庭には便利でしょう。
1階平面図 N0.2

一方で、もっと家族の空間を広く感じさせ積極的に風通しや採光を得たいと希望されるようでしたら、No2のように和室と車庫の間に坪庭を設ける方法もある。小さな空間だが坪庭を設けることにより、暮らしを豊かに演出し、さらには居間の風通しも良くなり視線も抜けて部屋が広く感じることができるようになる。


2階

この間取り案は車庫と和室、浴室一部が下屋として計画しているので、2階はどちらの間取りにも対応できます。

子供室を寝るだけの個室と考えるなら、7.5帖の広さを2室にした少し狭い空間ですが、子供室とは別に独立した勉強部屋を設けているので、子供の空間としては十分ではないでしょうか。
2階平面図 No.1
2階ホールの一部をスタディーコーナーに利用する方法もあります。しかし、ホールの一部を勉強部屋にすると落ち着きには欠ける。本来なら勉強部屋は北向きの部屋が理想です、もし北側に書斎や勉強部屋の空間をとれなければ東向きであっても全く問題はない。

寝室のプライバシー

ご夫婦には子供に聞かせたくない話や見せたくない姿もあるでしょう。そのような意味でも、ご夫婦の主寝室は住宅内で最もプライバシーを必要とする、逆に言えば主寝室以外にプライバシーはいらないと言ってもよく主寝室は子供達の就寝ゾーンと離して計画したい。
2階平面図 No.2

住宅の規模によっては隣接せざるをえない場合もあります。どちらにしてもご夫婦のプライバシーを守るには、寝室に前室があるとより落ち着いた部屋を実現しやすく2階No2の間取りのようにWICを前室として使う間取り計画もある

2階ウッドデッキ


寝具類を干すために2階にベランダを希望される方が多く、住宅会社では防水工事をしたベランダを提案されます。時には1階居室上にも平気でベランダを設置しているようですが、いくら新築時に排水管の防露対策や、防水工事を怠りなく施工しても、経年変化の劣化や地震時の揺れ、変形により防水が亀裂して雨漏りの発生を引き起こす可能性は拭いきれません。


その可能性を取り去るには、安易なベランダは止め計画的な2階ベランダの設置をお勧めします。例えば、この間取り1階No2であれば和室の屋根高さを調整し、屋根上にベランダを設けると将来の漏水対策にも有効だ。

2016年7月16日土曜日

東入り玄関 N-05「やさしく家族を包み込む空間」で暮らす

概要
NO1 床面積|1階・20.0坪 2階・15.0坪 (吹抜け・5.0坪)
   延床面積|37.5坪
NO2 床面積|1階・20.0坪 2階・15.25坪 (吹抜け・5.0坪)
   延床面積|33.5坪(吹抜け別)
玄関方向|東入り玄関 No.N-05

コンセプト「やさしく家族を包み込む空間」で暮らす
特徴
|子育て世代|将来に備える家|夫婦の生活と住まい|暮らしと趣味を楽しむ|


シンプルに構成をされた空間は暮らしやすい。その上構造的にも経済的にも有利にで将来の暮らしの変化にも柔軟に対応しやすい。

No1 1階平面図


No1、No2共に台所、居間、和室を南側に配置して居間は南北に抜け採光と風通しを実現している。居間には大きなテーブルをドンと置き、この大きなテーブルが求心力を持ち家族が自然と集まる。
No2 1階平面図

炬燵や大きなテーブルは人を惹きつける。それは決して小さくてはいけない。
同じ場所で家族がそれぞれ自分の好きなことをしながら、心地よく共通の時間を過ごすには、大きなテーブルをドンと置くことが肝心だ。

仕事で遅くなり一人で食事をするにも、大きなテーブルでは誰かが近くで自分の好きなことをしている。子どもが塾や習い事で遅い食事になったとしても、ここでは親が新聞を読みながら何気ない会話が弾むだろう。

専用のダイニングテーブルでは
「お父様が食事をなさるわ、私が食事中のお相手を」
と、わざわざダイニングテーブルまで来て
「お父様、今日も1日お疲れ様でした、私たち家族のために働いていただきありがとうございます」
と、ビールでもお酌してくれる娘は少ない。
また、
「おっ隆志がこれから食事か」
と、親が子の正面に腰掛け
「今日は何があった、お父さんに話してごらん」
となれば、会話ではなく尋問に近い。

家族の気軽な会話には適度な距離を保ち、それぞれ自分の好きなことをしながら自然に触れ合える大きめのテーブルが役に立つ。


両案の違いは、ご覧の通り和室と台所の位置だ。どちらの間取りも明るく風通しは抜群、子育て世代のご家族には自信を持って勧められる。

暮らし方の違いがあるとすれば家事動線と将来性。炊事洗濯を素早く片付けたいと希望するならNo.2がお薦め。万が一にも1階に寝室が必要となるかもしれない、また来客が宿泊するかもしれないなど、将来を見越して計画するならNo.1である。

間取りは暮らしをかたちにすることであるが、将来のことも頭の隅におき、ご自身のライフスタイルに合わせて考えたい。
No1 2階平面図

2階
大きな吹き抜けを挟み東が親のゾーンで西が子供のゾーン、この空間を渡すように橋のようなフリースペースで繋ぐ。

いつまでも夫婦が仲良く生活を送り、子供たちを愛し育てる家づくりの一例を間取りで表現してみた。
No2 2階平面図