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2016年8月6日土曜日

夫婦二人で暮らす平屋の住まい

シンプルな間取り


間取りは簡素なほど暮らしやすい。あまり多くの間仕切りで仕切られた部屋よりも、一部屋として家全体を、端から端まで使い切る計画が暮らしを豊かにする。それは、ただ単に場所として使い切るばかりではない。視覚的にも空間や動線としても使い切り、さらに加えるなら敷地ともつながり自然と一体化することで、敷地も生活の場として使用することができる。

間取りは夫婦二人で自然の中に暮らす平屋の住まいです、敷地南側は景色がよく趣味の家庭菜園を楽しむ小さな菜園を計画している。今回は部屋の広さや動線を持つ間取りで暮らし方の違いにより部屋の配置が、どのように間取りが変化するか、糸口を掴んでいただきたい。

二人の生活と間取りの違い

NO1
No1平面図
玄関から台所の横を通り居間へ入ります、水まわりは寝室の西側に配置し夏の強い西日を和らげる役割も果たしていますが、寝室を抜けて使用するトイレの位置は来客には使用しにくい位置になり、ほぼ住人専用となります。来客はあまり考えず、ご夫婦が二人でのんびりと暮らすための、プライバシーが高くご夫婦だけが楽しむ別荘のような間取りとなります。


NO2
No2平面図
玄関からつながる食堂は朝日が差し込み心地よい日差しの中で1日を始めるには最高の食堂となります。またご近所の方がフラっと遊びに来ても気軽に招き入れ、お茶をしながら会話を楽しむ場所にもなります。トイレを含めた水まわりを居間と寝室の間に設けてありますので、来客もあまり気にすることなく利用できるでしょう。ワンルームタイプで開放的な間取りですが、友人知人またご近所の方が遊びに来られても良い間取りとなります。居間でくつろぐ時には台所が見えないように、壁と建具で仕切りを設けています。ある程度社会とつながりご夫婦の時間を楽しむ方にはお薦めの間取りとなります。


NO3
No3平面図
玄関から社会とのつながりが強い順に部屋を配置しています。社会とのつながりが強くなるため、部屋の雰囲気は少々落ち着きが少なく活動的な住まいといっても良いでしょう。アウトドアを楽しみ知り合った仲間を自宅に招くご夫婦には適していると思います。

2016年8月4日木曜日

西入土地・S-04「家族と夫婦・自然との対話を大切にする家」

概要
床面積 |1階・18.5坪 2階・14.0坪
延床面積| 32.5坪
玄関方向|西入り玄関 No.S-04
コンセプト「家族と夫婦・自然との対話を大切にする家」
主な特徴
|小さな家|魅力的な動線計画|土間がある家|自然の近くに暮らす|
|暮らし趣味を楽しむ家|夫婦の生活と間取りを考える|


間取りはとてもシンプル。
建築界の三大巨匠の一人、ミース(Mies van der Rohe)曰く「Less is more.」と格好いいことを言うつもりはないが、シンプルにまとめることは、そう簡単なことでもない。

敷地全体を住まいと考え、季節を感じ、庭の緑を楽しみ、ひろびろと暮らす、遊び心満載の「コンセプトプラン」だが、その考え方はみなさんの間取り作りに役立つはず。
1階平面図

この間取りを基本に、ご自身の暮らし方に合わせ家庭菜園やガーデニングを楽しみ自然と共に豊かに暮らす自分なりの間取りを創造していただきたい。

四季折々に恵まれた気候風土の中に暮らしてきた日本人は、自然の恩恵を巧みに生かし、自然を住まいの中に取り入れ、豊かな自然を楽しむ暮らしを善としてきた。

この間取りは北西方向から南東方向へ空間が広がり、庭も室内空間の一部に感じられるようにレイアウトした。さらに、1階は屋外も含めてトイレ以外は全ての部屋を回遊性動線でつないでいる。

みなさんが、この間取りを見て気になるといえば、収納力と浴室の動線だろう。収納は心配することはない、居間にある壁面に収納物に合わせた奥行きの収納棚を設ければ問題なく、玄関収納を希望するなら玄関を東西方向へ少し広げれば良い。

開放的な浴室も居間からは見えない、家族の暮らし方により様々であるが、家族同士で裸姿を気にせず暮らすことも悪いことではない。
何も裸を見せ合って暮らすと言っているのではなく、
「おかあさーん。明日のお弁当には卵焼き入れてねー」
「連絡するの忘れてた、誰か私の携帯電話持ってきてー」
などと入浴中でも会話できる方が楽しい、時には家族に自慢の喉を披露するのもいいだろう。また入浴中の家族の様子がわかる方が安心していられると、コミュニケーションを大切にする暮らし方もある。

家庭菜園やガーデニング、緑に近く家族とのコミュニケーションを大切にする間取り。

家族が同じ時を過ごすリビングを広く取り、子供室は就寝する部屋と考えれば、それぞれ4.5帖もあれば個室に机を置いても大丈夫、それまではリビングを学習の場として使う方が良い。
2階平面図


夫婦の主寝室はWICを前室として、ここを通って部屋に入る。もちろん住まいの中で唯一、プライバシーを必要とする夫婦の空間は夫婦が一体となって子供達に向き合う作戦会議が開かれる、それには子供達が寝静まった夜のコミュニケーションが欠かせない。

西道路間取り・C-02|「つながり」がある住まい

概要
床面積 |1階・21.0坪 2階・14.0坪
延床面積| 35.0坪
玄関方向|西入り玄関 No.C-02

コンセプト「つながり」がある住まい

主な特徴
|仲の間|動線計画|暮らしと趣味を楽しむ|子育て世代|自然の近くに暮らす|料理を楽しむ|夫婦の生活と暮らし|

「仲の間」とは「屋外」と「屋内」を曖昧につなぐ日本建築独特の「縁」「軒下」の空間に見立てた「ニワ空間」であり、ここでは「社会」と「家庭」を緩やかにつなぐ「場」として機能させている。友人や知人、ご近所さんが気軽に立ち寄りやすい「広場」と考えても良いだろう。
1階平面図
普段は居間として家族が使う「仲の間」も、食堂と台所の間に小壁を設け、どちらの部屋からも広く感じさせる効果を得ている。加えて小壁を設けているのは、意識的に台所からの距離感を感じさせるためでもあ李、日々忙しく家事労働をされていれば、夕食後のリラックスできる時間は家事を忘れ、のんびり過ごしたいと誰もが願うことである。
台所から離れた空間で、のんびりと映画鑑賞や読書、時にはキャンドルの灯りの中お気に入りの音楽に包まれ、ご夫婦で語り合う良い空間となるだろう。

「仲の間テラス」はまさに「縁」「軒下」の外部空間と内部空間をつなぎ、屋外でも屋内としても使える空間です。お天気の良い日にはここで少し遅めの朝食やバーベキューを楽しみ、夏には夕涼み、秋には七輪を持ち出しグラス片手に秋刀魚をつまみ秋の長夜を楽しむ。その使い方は自由自在その時々や季節を楽しみ、暮らしを豊かに演出する場所です。
虫刺されが気になるようでしたら、南側に網戸を入れると良いですね。また浴室からのバステラスも兼ねており子供達がビニールプールで遊んだ後は、そのままお風呂へ直行。庭でどんなに泥だらけになっても全く気にする必要もありません。

この間取りは、延べ床面積35坪という国内では平均的な新築一戸建て住宅床面積の中で、広々と豊かな暮らしを実現する手法を盛り込んでみました。まず無駄と思われる廊下を省くため、1階で、あえて廊下といえば階段下トイレ前の90Cm角の空間だけです。

家族で使うLDKは、その空間が対角線上にがつながるように配置している。対角線上に抜ける端から端まで見通せる空間は広さを感じさせ、さらにはテラスを設けることで自然と屋外との一体感を感じ部屋をより広く感じさせる。

西入の土地であれば東側に建つ隣家の影響で採光や眺望の多くを期待できないことから、東方向の視線を遮る目的で水まわりを東側に配置して、西側の採光や眺望を取り入れるレイアウトを選んでいる。

2階平面図
2階
主寝室は住宅内で最もプライバシーの確保に気遣う空間です。就寝前には子供たちの様子を見ながら寝室に向かい、WICを前室として寝室に入る長い動線ですが、この動線とWICを子供室との間に配することにより寝室は、よりプライバシーを高めることができます。ここまで必要とされないのであれば、廊下から直接、主寝室に入れる室内建具を設ければ良いです。

2階の子供室を北にレイアウトしているのは、落ち着いた部屋を求めてこの配置にしています。活発に活動するお子さんに育てたいなら子供室は南面が良いですね。

大切なお知らせ・・・
人それぞれの考え方ですが、家族との時間を大切にしたいと願う方、友人知人あるいは地域の方々とのつながりを深めたいと思っている方、子ども達の育て方や夫婦生活のあり方に至るまで、間取りには住む人の意思や考え方を詰め込むこともできます。また、それを表現する力もあると言っても言い過ぎではないだろう。


間取りを考え始める時には是非に建物の性能だけではなく、間取りに潜む力も信じ、より多くのものを求める間取り計画をしていただきたいと願っています。

2016年8月3日水曜日

西入り玄関 N-04「家族でクッキング!! 料理を楽しむ家」

概要
床面積 |1階・17.75坪 2階・14.00坪
延床面積| 32.75坪
玄関方向|西入り玄関 No.N-04

コンセプト「家族でクッキング!! 料理を楽しむ家」

主な特徴
|土間がある家|暮らしと趣味を楽しむ|自然の近くに暮らす|夫婦の生活と間取り|

お料理を楽しむキッチンは土足のままでも使える土間が良い。
1階平面図


食材を抱え帰宅して、そのままキッチンの大きなテーブルにドッカンと袋を置く、本格的な料理を調理するには床のことを気にしていられない。
でも床に付いた汚れやシミはとても気になる、無垢板のフローリングなどでは落ちない汚れも、床を土間仕上げにしておけば気にならないし、ゴシゴシとタワシで掃除することも出来る。

料理を楽しむ人は食材の安全も気になるのではないだろうか。野菜の多くは皮部分が美味しいこともよく知られている、この美味しい部分を楽しむには、やはり無農薬の有機栽培された野菜を使いたい、それには小さくても家庭菜園で収穫した旬の新鮮野菜を使いたくなるだろう。

気軽に菜園の野菜を摘みに行き、採れたての野菜を美味しくいただきたい。

「もし子どもが好き嫌いをするなら、自分でその野菜を栽培させなさい。きっと食べらるようになるから」とは知り合いの児童心理の専門家の話。
子どもの中に非常に敏感な味覚をもつ子がいて、野菜についた農薬の嫌な味が気になり、その野菜を嫌いになる子もいると・・・、これは随分以前に読んだ漫画「美味しんぼ」で読んだ話だ。

室内での調理は難しい料理もあります、例えば燻製や脂がのった旬の魚を本格的に炭火で焼くなどは、とてもとても室内で挑戦することが難しい。

そこでここではキッチンテラスを計画している。
もちろん、ここにバーベキューセットを持ち出し、ビールを片手にのんびりと楽しみたい。

しかし外だからといっても昨今の地域環境では安心してはいられない。突然に豪勢な煙を上げると、ご近所さんから「あら、七輪で焼いた秋刀魚ですか、私も食べたいですわ」などと、おねだりされる程度ならまだマシだが、119番などされると大きな問題に発展するかもしれないので、日頃の隣近所とのお付き合いは大切にしておかなければならないかも。

この間取りは「食」をテーマにしたコンセプトプランです。
「食」をコンセプトといえば重々しく、今後のTPP承認や農産物の国内自給率、ポストハーベストを含めた農薬、食の安全、産地偽造などなど社会問題にまで広がりそうですが、そこまで大な問題を考えている訳ではありません。

料理を楽しむご家族が一緒に台所に立ち調理しながらその日あったことを話し合ったり、ご家庭の味を伝えたり。たまには料理を通して親の考え方を子に教える。
「食育」という言葉もありますが、そこまで大上段に構えることもなく、何気ない日常の暮らしから、子供達に何かを感じさせる、覚えさせることも大切ではないでしょうか。

2階平面図


間取りの考え方や計画で、日々の暮らしや子供達に何かを伝える力になる力添えになり得ることも知っていただきたい。

西入り玄関 N-03「メリハリのある暮らし」

概要
床面積 |1階・20.5坪 2階・18.0坪
延床面積| 38.5坪
玄関方向|西入り玄関 No.N-03

コンセプト「メリハリのある暮らしをしたい」
主な特徴
|動線計画|暮らしと趣味を楽しむ|夫婦の生活と暮らし|

活動的な空間とくつろぎの空間を分け独立させた間取りです。


1階平面図

活動的な空間は階段室を中心として台所ー洗面ー家事室と回遊できる動線を設けています。
洗面脱衣室は通路の一部としても利用しており抵抗を感じる方もいるかもしれないが、日々忙しく働き家事への負担と時間を短縮したい方々には、一つの解決策としてご家族と検討いただきたい間取りだ。

この間取りでは、バステラスは物干し場としても使用することを優先的に考えた間取りであるため、洗面脱衣室を動線上に配置している。ただ、この動線上の洗面脱衣室が、ご家庭の暮らし方に合わないようであれば、トイレと浴室の間に脱衣室を配置すれば着替えの問題を簡単に解決することができる。

在来軸組木構造では柱間の距離(スパン)は2間(3,636mm)以下で空間構成することが基本であり、この居間には柱を入れているが、この基本を超えた広さを計画している。このように広い空間を構成するには事前に建物全体の構造計画と1,2階のレイアウトを十分に考えておかなければならない。

この間取りでは、1階の壁と2階の耐力壁の位置を揃え構造的な耐力を確保している。

日々忙しいけれども家事はささっと短時間で行い、余暇の時間を大切に暮らしたいと願う方には、このように活動的な空間と静かで落ち着く空間に分けた間取りが忙しい1日の中でも、メリハリをつけた生活をしやすい間取りといえるのではないでしょうか。

バステラスは、週末や休日には露天風呂の雰囲気を味わえるお風呂に浸かり、湯上りにはシャキッと冷えた麦酒を楽しむ。暑い夏には小さなテーブルを囲みティータイムの場所としても、このバステラスはただ楽しむだけでなく、冬には建具を占めて物干し場としても使います。

もちろんこのように東西南北に空間が広がる部屋は風通しが良く、ひろびろとした居間にはグランドピアノを置いても余裕がある。友人知人を招いたホームパーティーやホームコンサートも十分に楽しめます。

2階平面図
2階の間取りは主寝室のプライバシーを高め就寝時に子供達の様子を見ながら部屋に入れるようにしています。また、子供室を一部屋で使うと階段を中心とした回遊式の動線が生まれ、2階をひろびろと使える間取りとしている。


間取りには様々な可能性がり、ご自身の暮らしをより楽しみ豊かに暮らす工夫をより多く詰め込んでいただきたい。この間取り案も新しいアイデアを生み出すヒントとして役立てていただければ、と願っている。

2016年7月18日月曜日

南入土地・W-04「炬燵に蜜柑」

概要
床面積 |1階・22.00坪 2階・14.375坪
延床面積| 36.375坪
玄関方向|南入り玄関 No.W-04

コンセプト「炬燵に蜜柑」
主な特徴
|回遊性|子育て世代|夫婦の生活|

日本の冬は、炬燵に入って暮らしたいと考える方も多いのではないでしょうか。赤ちゃんの遊び場やお昼寝の場所としては畳床に勝る仕上げはありません。台所横に和室を設け育児と配膳がしやすい間取り案です。
1階平面図

暮らし方によれば水まわり動線の長さが気になりますが、それよりも家族の健康を優先し南北通風の良さや食堂に朝日が差し込むことを基本と考えた。

畳の部屋
「和室は南側で日当たりが良い場所に」と先入観はありませんか?年中大切なお客様をお迎えする大邸宅なら、いざ知らず、暮らしを大切に計画する間取りでは、そんな考えを持つ必要もありません。

畳はクッション性も断熱性もよく、特に子育て中の方には、こんなに重宝する素材はありません。乳児期には、さっとお布団を敷けば、お昼寝の場所になり思い切り寝返りもできて転落の心配もない、時には子供の添い寝と称して一緒にお昼寝もできる。転んで頭を打っても大きな怪我をしない、遊び場としても大活躍します。

また、洗濯物をたたむにも重宝な場所ではないでしょうか、板の間で直に座ってたためば膝を痛めます、座布団を敷けば邪魔になり、テーブル上で下着を広げるには抵抗を感じます、さりとて専用のパントリーを設ければ床面積が増えてしまう。
畳の間はその時々に応じて重宝に使える多機能な部屋、万能な部屋であり、その感触は私たち日本人のDNAに訴えてくるものを感じざるを得ません。

和室を暮らしの中で存分に活用するには、その配置が大きな決め手です。子育てには台所の近くや見通せる場所、洗濯物をたたむには物干し場の近くに配置する。さらにその配置によって、住まいの風通しを良くする役割も果たします。

間取りは自然ありき、自然と共存する家
住宅は一時期、高気密高断熱工法の24時間換気の家が注目を集め、これにより不運にもシックハウス症候群を発症を招き、大きな社会問題ともなりました。今でも、その技術が生かされている住宅は多いようです。ただこの工法では人工環境の中で暮らすようなもので、地域によっては年間を通して冷暖房を入れてエネルギーを消費し続けなければ住むことができないこともあります。
2階平面図

心地よい季節や、お天気の良い日には思いっきり窓を開け部屋の空気を入れ替える、掃除をするときには窓を開けて掃除をする。季節が良い時期にはエアコンは必要ありません。


自然の力を取り入れ、自然環境と共生する家づくりは、まず最初に「自然ありき」と考えたいものです。

南道路の間取り・C-03「家族が一緒に心地よい距離感の中で暮らす」

概要
床面積 |1階・20.0坪 2階・15.0坪
延床面積| 35.0坪
玄関方向|南入り玄関 No.C-03

コンセプト「家族が一緒に心地よい距離感の中で暮らす」
特徴
|子育て世代|夫婦生活|家事動線|

居間と台所を柔らかく分けた空間を造り出すために玄関を中央に配置しています。このような配置にすることにより、家族が集う居間・食堂は一つの部屋でも雰囲気の異なった空間を創り出します。
1階平面図
スタディーコーナーは台所の横に配置して、家事スペースとしても使い、居間と少し距離をおいたこの場所は家族が居間でくつろいでいるときにでも、その雰囲気を感じつつ勉強や作業に集中できるように適度の距離感をもたらせて個々に好きなことができる空間が生まれるように計画されています。

この間取りのように南側に居間食堂、北側に水まわりを配置するレイアウトは間取りの基本で、よく見かける。ただ単純に南北に配置したレイアウトでは南北通風が悪く、強い日が差し込むと明暗の差が強くなり、部屋に落ち着きがなくなる場合があります。

それを避け、通風と部屋の広がりを十分に得るために、この間取りでは、北側にデッキや3帖の畳コーナーを設けて北側に開口部をとり、北側からの採光と通風が得られるようにしています。

さらに建物の四方が見通せる居間・食堂は、もちろん部屋を広く見せる目的ですが、もし敷地内に不審者が侵入しても建物四方の様子を室内から察知することができるため、防犯上にも非常に有効です。

2階平面図 No.1

2階|


2階はLDK上に2階を配置してます。1階階段近くにトイレを配していますので、2階No.1の間取りではトイレは設けていませんが、2階トイレをご希望されるようでしたら2階No2の間取りや、子供室は寝るだけの部屋と割り切ったNo3の間取りを参考にしてください。
2階平面図 No.2
2階平面図 No3


南道路の間取り・C-01「四方の景色を味わう家」

概要
床面積 |1階・21.0坪 2階・17.0坪
延床面積| 38.0坪
玄関方向|南入り玄関 No.C01

コンセプト「四方の景色を味わう家」
主な特徴
|景色の中に暮らす|夫婦生活|

南側道路の土地に計画する住宅は採光、南北通風が得られやすい一方で、玄関の位置や道路からの視線には特に気を使う土地といって良いだろう。

中央に玄関を配置するレイアウトは、ある程度の間口がある敷地で、1階に異なる雰囲気がある部屋を希望されるときには良い配置の1つといえる。
1階平面図

一例としてこの間取りでは、中央の玄関を挟み西側に和室、玄関の延長線上から東側に居間を配置している。和室は来客用または、親との同居を計画する場合には有効な間取りです。また玄関を中央付近に配置することにより趣の異なる庭に仕上げやすくなります。和室前は日本式の落ち着いた庭、片方は遊びの庭や菜園・ハーブガーデンなど空地を使う庭などが考えられます。この特性を生かし、ご両親との同居を計画する場合には、庭も含めた生活空間を分けた暮らし方を考えた間取りを実現しやすくなります。

この間取りは二世帯住宅を計画するときにの基本的なレイアウトの一つです。ただ部屋の大きさや部屋数、収納は、みなさんの暮らしと敷地に合わせて調整する必要があります。

3方向に視線が抜け自然とつながる家族の間
敷地の北西方向に空地を設けることにより、敷地と室内の風通しがとても良くなります。また室内空間も3方向に視線が抜けると、とても広く感じられるようになります。

来客が気軽に立ち寄れる住まい

この間取りは二世帯のご家族とともに、来客が多いご家族も参考にしていただきたい配置計画です。和室南側には庭との間に玄関ポーチからつながる土間があり、ご近所の方が遊びにこられても、玄関を通ることなく気軽に立ち寄ることもできます。また来客が宿泊されるときには、水まわりを和室横に配置していますので、和室からの行き来もしやすい配置としています。
2階平面図


2016年7月17日日曜日

北向土地の間取りE-05「家事は素早く片付けたい」

概要
床面積|1階・19.25坪 2階・15.25坪 延べ床面積・34.5坪
玄関方向|北入りの家 No.E-05

コンセプト「家事は素早く片付けたい」
主な特徴
動線計画|子育て世代|夫婦の生活|

間取りをよく見ると南東に居間、南西に和室と続き、水まわり、台所・食堂、玄関とそれぞれを四方に配置する家事動線を短く計画するシンプルなゾーニングで構成している。
台所から水まわりが近くて、南に面した和室も台所近くにあり、台所に立っていても和室に居る子供の様子を確かめられる。冬場に炬燵を使用するようであれば、和室を食事の場所として台所からの配膳も楽にできる。また乾いた洗濯物を、たたみ仕分ける場所としてもこの位置の和室はとても便利に利用できる。
1階平面図

この動線をコンパクトにまとめた動線計画は、動きの多い場所と少ない場所に区別されるので、落ち着きのある居間を希望される場合にも参考となる間取り例である。ただ、ご注意いただきたいのは、この間取りのようにトイレの出入り口が開きドアになりやすく、洗面所の出入り時に鉢合わせする可能性があるので、これを少しでも避けるため多少の調整が必要となる。

各部屋の出入り口は基本的に引き戸で計画すべきです。確かに引き戸でも指を挟む危険性はないとは言えない、しかし開きドアで挟むより怪我の症状は軽くて済むことに間違いはない。また風通しにも引き戸の方がずっと有効で自由度は高い。
2階
子供のゾーンを南西方向、ご夫婦のゾーンを北東方向に分けています。子供達が成長すると生活時間も異なり、寝室での安眠を配慮すると子供室と寝室は隣接させない方が良いでしょう。
2階平面図

2階の各部屋とも外気に面する2方向の窓が設置できて、採光も風通しも良い個室になります。ただ吹抜けの高さ設定によっては東側子供室の窓位置は高い位置になってしまいますから、事前に吹抜けの高さを検討してください。

この間取りは独立した吹抜けを計画しているので、階段から吹抜けを循環して発生しやすい1階へ冷気が降りてくるコールドドラフトの心配は少ないでしょう。


北向土地の間取りE-04「オーディオを楽しむ小さな家」

概要
床面積|1階・15.75坪 2階・12.50坪 延べ床面積・28.25坪
玄関方向|北入り玄関 No.E-04

コンセプト|「オーディオを楽しむ小さな家」
主な特徴
動線計画|小さな家|子育て世代|バスデッキ|夫婦の生活|

床面積30坪弱の小さな家。北側道路の土地は意外と間取りを考えられやすい土地です、ただ土地と床面積のバランスが悪いと室内の採光が不十分となるので、建物の大きさを考えずに、ただ単純に北側の土地が良いとは言えません。少し窮屈な土地に広めの家を計画する時には、やはり南向きか東向きの土地が採光を得られやすく、明るい住宅を実現できます。逆に広めの敷地に小さな家を計画する場合は土地の向きはあまり関係がないといってもよいです。

1階平面図

この住宅は延べ床面積28坪ほどの小さな住まいです。
居間・食堂・台所は思いっきり南側に、北側には水まわり各部屋と玄関を一列に配置しました。水まわり各部屋を北側に配置するこのレイアウトでは、南北の通風を得にくくなるため、その対策として洗面所と台所西側、玄関ポーチにそれぞれ大きめの窓を取り付け南北通風の通り道と考えている。
コンパクトな家でオーディオを楽しめる空間を得るため、食堂は南西方向に張り出させ、居間は東南方向に広くとり東側にオーディオを置いている、この壁面に大きなスクリーンを取り付ければ家庭シアターとして楽しむことができるでしょう。
また、オーディオを楽しむ空間では、機器類の前を動線が横切らないように計画しなければならない。

このレイアウトの居間は家事動線が横切ることもなく、落ち着いた雰囲気の居間に仕上げやすいですので、コンパクトな家に広く落ち着いた居間をご希望される方は是非に参考としてください。
2階平面図
2階の各部屋にも十分に朝日が差し込み、風通しをよくするためにL型のレイアウトとした。主寝室と子供部屋の間に押しれを配置してプライバシーを高めているが、もう少し主寝室のプライバシーを高めたいとご希望されるなら、寝室とWICの壁面沿いに建具を入れ前室を作ると良い。

北入り玄関 W-03「通り庭がある住まいに暮らしたい」

概要
床面積 |1階・18.75坪 2階・15.50坪
延床面積| 34.25坪
玄関方向|北入り玄関 No.W-03

コンセプト「通り庭がある住まいに暮らしたい」
主な特徴
土間がある家|趣味と暮らしを楽しむ|自然の近くに暮らす|夫婦の生活|

新しい土間のかたち

伝統的な日本家屋や、今でも京町屋に残る「ニワ」空間は作業や炊事場として使われ、その空間は外とのつながりを深め、家庭菜園やアウトドア、創作活動を楽しむと共に敷地全体を我が家として使いきる装置の一つともいえる。
1階平面図

「ニワ(土間)」を現代の住まいに取り入れ、菜園で収穫した泥付き野菜の仕分けや、アウトドア用品の手入れなど作業というより趣味を楽しみ暮らす。土間は家族が趣味を満喫する場所、自転車の手入れやサーフボードのメンテナンス、登山用品の点検などなど、子供たちは工作や粘土遊びに陶芸などその使い方にはキリがない。

もちろん土間には薪ストーブを置きたい、ここでは「ヘルゴン|E-30M/スペイン」を選んでいる。ガラス面が大きく、クリーニング機能と着火が楽なスタートレバーが付いている、アクティブに活動する家族には、炎を楽しむ静かな時間も過ごしたい。

構造計画

木造であっても、大きな空間を得るには構造計画が欠かせません。この間取りでは台所と水まわりを両端のコアとして中央の大きな空間を構成しています。

玄関は単に風除室とし考える

伝統の様式では外から直接土間に入るが、やはり冬季には冷たい風が室内に入り込ませないため風除室として玄関が必要です。
2階平面図

家全体を使いきる間取り

2階寝室の西側屋根は1階の台所と玄関上に配置してあり、屋根上は山荘のように家族全員のお布団を干す場所として寝室から出入りできる高さに低く抑え、この屋根には山荘のように家族全員のお布団を干す場所として計画しています。家全体を使わないともったいないでしょう。



※敷地状況にもよりますが、この間取りは左右逆転しても使えます。

北入り玄関・W-01「北玄関・基本の間取り」

概要
床面積 |1階・20.0坪 2階・15.875坪(吹抜け4.375坪)
延床面積| 35.875坪 (吹抜け4.375坪別)
玄関方向|北入り玄関 No.W-01
コンセプト「北玄関・基本の間取り」
主な特徴
家事動線|子育て世代|夫婦の生活|

玄関から台所、階段、洗面、浴室と各部屋が北側一直線に並べる基本的な間取りです。
台所横の階段下は食品庫もしくは物置を兼ねた勝手口として利用すれば、ゴミ出しにも重宝するでしょう。
1階平面図

この間取りの欠点として、玄関から入ると目の前に食事の空間が広がるため、不意な来客があると家族が食事をしている横を通らなければ奥に招き入れることができない点です。気心の知れた友人知人が多く遊びに来るご家庭であれば、非常にフレンドリーな間取り案となります、しかし気を使う来客が訪ねてくるご家庭にはお薦めできません。

物干しには小雨程度なら和室周りの濡れ縁を使い、冬季や雨天時には2階のオープンスペースを物干し場として使うため、洗濯機から近い位置に階段を配置した。

居間、食堂部分の吹き抜けは南側に隣家が迫っていても日差しが十分に差し込む。また2階の子供室は吹き抜けを通して1階の空間と一体化させ、子供たちが個室にいても1階でその雰囲気を感じられるように計画している。
子供室は就寝場所と割り切り7.5帖の広さを2室に分けた広さだが、吹き抜けに面して設けたオープンスペースを勉強部屋に使う予定なので、特に広さの問題はないと思う。
2階平面図


吹き抜けがあると、冬場にコールドドラフトが発生し寒く感じる恐れがあるので、吹き抜けには障子を入れている。この障子を開閉することにより、その時々に合わせて自分たちで室内環境の調整をすることができる。夏場に障子を全て外すと、住宅内の風通しば抜群に良くなります。

2016年7月16日土曜日

東入り玄関 N-05「やさしく家族を包み込む空間」で暮らす

概要
NO1 床面積|1階・20.0坪 2階・15.0坪 (吹抜け・5.0坪)
   延床面積|37.5坪
NO2 床面積|1階・20.0坪 2階・15.25坪 (吹抜け・5.0坪)
   延床面積|33.5坪(吹抜け別)
玄関方向|東入り玄関 No.N-05

コンセプト「やさしく家族を包み込む空間」で暮らす
特徴
|子育て世代|将来に備える家|夫婦の生活と住まい|暮らしと趣味を楽しむ|


シンプルに構成をされた空間は暮らしやすい。その上構造的にも経済的にも有利にで将来の暮らしの変化にも柔軟に対応しやすい。

No1 1階平面図


No1、No2共に台所、居間、和室を南側に配置して居間は南北に抜け採光と風通しを実現している。居間には大きなテーブルをドンと置き、この大きなテーブルが求心力を持ち家族が自然と集まる。
No2 1階平面図

炬燵や大きなテーブルは人を惹きつける。それは決して小さくてはいけない。
同じ場所で家族がそれぞれ自分の好きなことをしながら、心地よく共通の時間を過ごすには、大きなテーブルをドンと置くことが肝心だ。

仕事で遅くなり一人で食事をするにも、大きなテーブルでは誰かが近くで自分の好きなことをしている。子どもが塾や習い事で遅い食事になったとしても、ここでは親が新聞を読みながら何気ない会話が弾むだろう。

専用のダイニングテーブルでは
「お父様が食事をなさるわ、私が食事中のお相手を」
と、わざわざダイニングテーブルまで来て
「お父様、今日も1日お疲れ様でした、私たち家族のために働いていただきありがとうございます」
と、ビールでもお酌してくれる娘は少ない。
また、
「おっ隆志がこれから食事か」
と、親が子の正面に腰掛け
「今日は何があった、お父さんに話してごらん」
となれば、会話ではなく尋問に近い。

家族の気軽な会話には適度な距離を保ち、それぞれ自分の好きなことをしながら自然に触れ合える大きめのテーブルが役に立つ。


両案の違いは、ご覧の通り和室と台所の位置だ。どちらの間取りも明るく風通しは抜群、子育て世代のご家族には自信を持って勧められる。

暮らし方の違いがあるとすれば家事動線と将来性。炊事洗濯を素早く片付けたいと希望するならNo.2がお薦め。万が一にも1階に寝室が必要となるかもしれない、また来客が宿泊するかもしれないなど、将来を見越して計画するならNo.1である。

間取りは暮らしをかたちにすることであるが、将来のことも頭の隅におき、ご自身のライフスタイルに合わせて考えたい。
No1 2階平面図

2階
大きな吹き抜けを挟み東が親のゾーンで西が子供のゾーン、この空間を渡すように橋のようなフリースペースで繋ぐ。

いつまでも夫婦が仲良く生活を送り、子供たちを愛し育てる家づくりの一例を間取りで表現してみた。
No2 2階平面図

東入り玄関 N-04「大人の空間にひろびろ暮らしたい」

概要
床面積
NO1 床面積|1階・20.0坪 2階・17.5坪
   延床面積|37.5坪
NO2 床面積|1階・20.5坪 2階・13.5坪(吹抜け・7.0)
   延床面積|33.5坪(吹抜け別)
玄関方向|東入り玄関 No.N-04

コンセプト「大人の空間にひろびろ暮らしたい」
主な特徴
|子育て世代|夫婦生活|暮らしと趣味を楽しむ|


ただ単に明るくて動きやすい家や、単純な四角い部屋はつまらない。
住まいには、もっと多くのことを求めたい。
35坪前後の広さの家にのびのびと、ひろびろと暮らしたい。

部屋の配置がほぼ同じ間取り2案ですが、その空間や暮らし方は大きく違います。共に明るく風通しはよく、ゆるやかに、のびのびと広がる部屋の配置で、違いは1階がキッチンの向き、2階は吹き抜けで、その違いによる暮らし方の違いを感じとっていただきたい。

No1 1階平面図
No.1
1階はキッチンと食堂を対面させ居間と食堂、台所がオープンな一部屋になるようにしています。
居間へのサービスがしやすく和室をキッチンから見通せる一方で、建具を入れなければキッチンが居間から見えてしまう欠点もあります。このレイアウトは子育て世代の方々と、ご自宅に友人知人をお招きし、ホームパーティーを開くご家族に向いています。

No1 2階平面図

2階は階段部分に小さな(90Cm角)の吹抜けがあり1階と2階を空間的につなぎ、1階に薪ストーブを設置する時には、この場所が煙突を配管する場所にもなります。階段を上がるとフリースペースがあり、ここは子供の居間として、物干し場所として利用いただけます。この部屋を囲み子供室2室と寝室を配置しました。


No2 1階平面図
No.2
台所から食堂へサービスは一直線で、玄関からの動線も確保してます。
水平に空間が広がるNo.1に対し、No.2は居間全体が吹き抜けで垂直方向に空間が広がるように台所との間に壁を設けている。
大きな吹き抜けがある居間に対し、食堂の天井は低く抑え、居間とは異なった落ち着いた空間を実現させる。さらに台所との間に設けた壁は構造的にも必要ですが、部屋の中を全て見通せる場合より、空間が広がっていく期待感をもたせます。
No2 2階平面図
2階は約7坪大の大きな吹き抜けを計画しています。吹き抜けを希望される方や不要と思われる方もいらっしゃるでしょう。
ここでは前述した通り、居間の空間的広がりを縦方向に求め、食堂は小さなアルコーブのようにコンパクトで落ち着いた雰囲気を求めました。また主寝室を子供部屋から離すことにより主寝室のプライバシーも向上します。


No1,No2どちらの間取りが良いかは、皆様の暮らし、生活様式次第です。暮らし方に合っている間取りをお選びください。どちらの間取りも建築的には良い間取りで、どちらの間取りがご自身の暮らしに合っているかでご判断ください。


浴室の位置と家事・健康
ここでは浴室のカビ対策として南側に浴室を配置しています。
浴室のカビは健康にも良くありませんし、家事労働にも負担をかけます。家事労働の軽減と健康を考える家づくりは、カビの繁殖を防ぎ掃除回数を減らすためにも、日当たりや風通しが良い浴室の間取り計画をすることも大切です。

家事の軽減といえば家事動線ばかりに目が行きがちですが、このように良好な室内環境を計画することも間取りでは重要なポイントであり、忘れてはなりません。