2016年8月1日月曜日

山中湖の山荘

山中湖の山荘(加藤邸)


建築家 吉村順三(よしむら じゅんぞう)
面 積 101.8㎡
建築年 1975 : S55
所在地 山梨県南都留郡

風呂敷に包んで大切に持ってきた山荘

2階平面図
軽井沢の吉村山荘を訪れ「風呂敷に包んで持って帰りたい」と評した主人公に答えた作品。一見すると軽井沢吉村山荘に似た平面にも思われるかもしれないが、平面構想は全く違う、同じなのはどちらも「気持ちの良い別荘」である事。1階(地階)は車庫と玄関にして、居住空間を全て眺望の良い2階に配置している。
1階平面図
2階の大きなデッキへは、敷地の傾斜を巧みに利用してあり、外の階段から直接上がることも出来る。

台所は居間の空間に、階段を挟んで配置されてあり、料理をする時にも料理人が孤立しないようになっている。階段を挟んでいるのは、心地よい距離感を持たせるためであろう、もちろん軽井沢吉村山荘と同じく、障子で仕切れるようになっている。


掘り炬燵のある和室は、施主の希望であり、居間空間から60Cm高く、階段を上がり部屋へ入る。居間との和室の間は30Cm程の腰壁を入れた上に引き込み障子が入っていて、炬燵に座ると、居間の床部分は腰壁でカットされ、気持ちの良い景色だけを楽しめる工夫がなされている。2階のデッキは台所からも近く、このデッキで、山中湖と富士山を眺めながらの食事やティータイムは、宝のようなひとときを楽しめるのであろう。

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